誰かに癒しの本を届けます~夫の本を詰めたワゴン車に揺られて~
長年勤めていた図書館が休館になって失職した町田紗耶香は、本を積んだワゴン車に乗って旅に出る。心の傷や悩みを抱えた人々の心の癒しのために、夫の蒼空(元雑誌編集者)が残した本を手渡そうとしていた。「旅の途中で、もし心を癒すために本を読もうとする人たちに出会ったら、あなたが選んだ本を手渡してください」という言葉を残して、蒼空がこの世を去ったからだ。ワゴン車を運転していると、紗耶香は常に蒼空が近くにいることを感じていた。最初に出会った居場所のない少女をワゴン車に乗せて、二人で移動することになる。旅の途中で、夢を諦めかけた青年、未送信の手紙を書き続ける女性、婚約者を失い時間が止まってしまった男性など、紗耶香は心に傷や悩みを抱えた人々に次々と出会う。紗耶香は悩みを抱えた人々と心を通わせて、心を癒すために選んだ本を渡すたびに、自分自身の心の傷も少しずつ癒していることに気づく。旅が終わりかける頃、紗耶香はようやく蒼空に渡せなかった手紙を書きあげるが、それでも、紗耶香の旅は続く。癒しの本を求める人々のもとへ本を届けるために。
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