幕末金魚侍 ~緋色の命に願いを込めて、金魚を愛した佑馬の奇妙な半生~
幕末、大和郡山藩士の次男の土浦佑馬は、剣よりも金魚を好む変わり者として知られていた。幼い頃から金魚に魅せられた佑馬は、独学で金魚養殖を学び、ついには『金魚養殖覚書』を著す。金魚養殖覚書が評判となり、金魚卸問屋から娘菜緒の婿にと望まれる。佑馬は美しい菜緒と結婚しようとするが、家老の急な命令で余儀なく藩の飛び地の中山道の醒井宿に派遣される。ある夜、ヒナという女から、菜緒が商家に嫁入りしたと告げられ、佑馬は絶望する。ヒナの魅力に囚われた佑馬は、ヒナから出された危険な契約を結ぶ羽目になる。その直後、家老の命令で、佑馬は金魚鉢を作るために京へ行くことになり、金魚鉢製作に励む。だが、異人館の警護のために品川へと移動しなければならなくなる。幕末の政治情勢の急激な変化に翻弄される佑馬は、悪戦苦闘するが、どうにもならない非力な自分を知る。醒井宿がつぶれ解任された佑馬は、大和郡山に戻り、好きな金魚養殖に励む。佑馬は養殖池で再会した菜緒と結婚する。嵐の日、佑馬は濁流で溺れそうになるが、ヒナに命を救われ、ヒナの正体を始めて知る。
この物語は、幕末の激動期に翻弄されながらも金魚養殖に人生を賭けた侍の奇妙な半生である。
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