明日の展示室には何もない
「明日の午後もここにありますか」
休日の美術館で、刑事の榧野千歳は妙な男に出会った。
男が気にしていたのは一枚の絵と、翌日の催しに加えられた不自然な変更だった。
彼の名は久瀬未明。事件の解決よりも謎を解くことが好きな探偵。
まだ何も盗まれていないのに計画を見抜き、あろうことか本人の前で感想まで述べ始める。
止めに入った千歳は、絵をめぐる人々の言葉に耳を傾ける。しかし「誰かのため」という説明には、肝心のその人の望みが抜け落ちていた。
謎を解きたい探偵と、人の話を聞きたい刑事。
少し噛み合わない二人が出会う、事件が起こる前のミステリ。
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