真白な黒-神々の忘れた記憶-


 かつて世界には【色】と呼ばれるものがあって、かつて世界には【夜】と呼ばれるものがあったという。
 そんな世界はどれだけ美しかったのだろうか。
 そんな世界はどれだけ醜かったのだろうか。
 
舞台は日野出国、日本

 これは、黒峰 灯夜と神に行き会った少女達の物語。
 神と行き会い、共に生き合う物語。
 色と夜を失った世界の物語。
 色として現世に再び現れた八百万の神々。その神々に身体を奪われた人々の、忘れた記憶を巡る物語。
 真白なのに真黒い、真黒なのに真白い、そんな色の物語。

 主人公、黒峰 灯夜。
 この灯夜という主人公は主人公最強とは程遠い、主人公最弱。
 最弱主人公、灯夜による神々との奮闘記。
 自らも神として、また【黒】という色としての始まりから終わりまでの物語である。
 
「返してもらいますよ、この世界に皆の黒を」

雨の後に虹が出るとは限らない。
でも、雨が降らなくては虹は出ない。


 「灯夜? ここ何処?」

 「おい美月!! ここはあらすじ紹介のコーナーだ!!」

 「ほほー ちょっと狭いね」

 「ほほーじゃあない!! まだお前は出てくるな!!」

 「えぇー何でー?」

 「何でじゃあないだろ!! お前はこの時点では、まだ登場してないのだから!!」
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