プルートーの胤裔
ペンションのバイトの女が、突然、自分たちの車に火を放って自殺した。それは、地方新聞に掲載された、ともすれば見逃しそうな小さな事件だった。
ところが事情聴取に来た刑事らは、しきりに何かを隠している様子で、しつこくその女の素性を調べて行った。ペンションのオーナー、岸本は、この件を不審に思い、二人の友人、敷島と宗村に連絡を入れた。
敷島は、大きな探偵事務所を経営している、社長で、すぐに宗村を現地へ向かわせた後、部下である美咲も現地へ送り込み、この女の素性を徹底的に調べろと命じた。そして調べを進めるうちに、『晦冥会』という、あやしい宗教団体の関与がちらつき始め、さらには、『バイフー』と呼ばれる暗殺者の存在も明らかになって来る。バイフーとは、警察も手を焼くほどの連続殺人犯で、彼女によって自殺に見せかけて殺された犠牲者の写真で、警察のファイルはいっぱいになっているという。
そんな謎のベールに包まれたバイフーを、ゆいいつ目撃している宗村は、警視庁によるバイフー捕獲作戦に協力をするはめになるのだが、これが見事に失敗に終わり、返り討ちに遭うかたちで、現場は火の海と化す。騒然となる避難現場の中、ただ一人、平然と歩く彼女の姿を発見した宗村は、その背中を追って、もう引き返せない、晦冥会がひた隠しにする、『プルートーの胤裔』の謎に迫る。
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