セレニアの国の物語
ペルシュは一人、林を歩いていた。
何も面白いことはない、見飽きた景色だ。生えている木も、積もった落ち葉も。
いつもの場所のいつもの丸太に腰掛ける。
「どこか知らない場所に行きたいなあ」
小さな空を見上げる。木の葉のさざめき以外、何も応えないーーはずだった。
「知らない場所って、どこに?」
後ろで声がした。
意地悪な子どもたちがからかいにきたのかと、目を吊り上げて振り返ると。見ない顔の少年が、ペルシュを通り過ぎて林の出口へ向かって行くところだった。
「待って! はじめて会うね。どこから来たの?」
「質問に答えないやつの質問には答えない」
会ったばかりなのに、ペルシュのことが嫌いなような目をしている。
どうしてだろう、とペルシュは考える。
「わかった、質問に答えるね。知らない場所っていうのはさ、つまり...冒険だよ」
「冒険?」
「この前、教わったんだ。冒険っていう言葉を。行ったことがない場所や、安全じゃない場所に出かけることだよ」
すると、
「ふうん...」
と、彼の表情が和らいだ。
同じ地区の意地悪な子どもたちのように、笑ったり、嫌なことを言ってこない。
ペルシュは嬉しくなった。
「ねえ、君も冒険がしたい?」
何も面白いことはない、見飽きた景色だ。生えている木も、積もった落ち葉も。
いつもの場所のいつもの丸太に腰掛ける。
「どこか知らない場所に行きたいなあ」
小さな空を見上げる。木の葉のさざめき以外、何も応えないーーはずだった。
「知らない場所って、どこに?」
後ろで声がした。
意地悪な子どもたちがからかいにきたのかと、目を吊り上げて振り返ると。見ない顔の少年が、ペルシュを通り過ぎて林の出口へ向かって行くところだった。
「待って! はじめて会うね。どこから来たの?」
「質問に答えないやつの質問には答えない」
会ったばかりなのに、ペルシュのことが嫌いなような目をしている。
どうしてだろう、とペルシュは考える。
「わかった、質問に答えるね。知らない場所っていうのはさ、つまり...冒険だよ」
「冒険?」
「この前、教わったんだ。冒険っていう言葉を。行ったことがない場所や、安全じゃない場所に出かけることだよ」
すると、
「ふうん...」
と、彼の表情が和らいだ。
同じ地区の意地悪な子どもたちのように、笑ったり、嫌なことを言ってこない。
ペルシュは嬉しくなった。
「ねえ、君も冒険がしたい?」
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