Hero Moon-月の英雄-

太陽が消えた日、
世界は終わらなかった。

ただ、
“夜が続く世界”になっただけだ。

光を失った街。
壊れた秩序。
救いを待つ声と、
それを聞こえないふりをする大人たち。

そんな世界に現れたのが、
月の力を宿す者たちだった。

彼らは英雄と呼ばれた。
だが、その力は決して無償ではない。

使えば、失う。
守れば、削れる。
戦えば、何かが戻らなくなる。

それでも――
立ち上がる者がいる。

主人公・月影は、
最初から強かったわけでも、
正義を語れる人間でもない。

ただ、
「見てしまった」だけだ。

泣いている声を。
壊れていく日常を。
取り返しのつかない瞬間を。

影を纏う力。
それは世界を救う切り札であり、
同時に、自分自身を静かに消していく刃。

仲間と呼べる存在。
信じられるか分からない未来。
そして、
“忘れてはいけない何か”。

この物語は問いかける。

――英雄とは、誰のことだ?
――名を残した者か?
――勝ち続けた者か?
――それとも、最後まで立っていた者か?

答えは、簡単じゃない。

だからこそ、
この物語には「一人の主人公」しかいないわけじゃない。

月の下で戦った者すべてが、
それぞれの英雄だった。

たとえ世界が覚えていなくても。
たとえ本人が忘れてしまっても。

これは、
“英雄という概念”そのものを問い直す物語。

夜が終わらない世界で、
それでも前に進んだ者たちの記録。

――Hero Moon。

月は、
まだ沈まない。
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