氷の幻獣は、冷徹な魔女に拾われる。ー夜の庭にサファイアは咲くー
「――死なせてはあげないわよ。あなたが私の庭を彩る、最も美しく、最も無慈悲な牙になるまでは」
『高価な部品』として利用され、すべてを奪われた二人が、静かな庭で愛を知るまで。
王都から隔絶された古城に棲む、漆黒の角を持つ魔女、ベルローズ。
彼女はある夜、満身創痍の蒼い幻獣を拾う。
その首には、支配の証である『聖銀の首輪』が嵌められていた。
魔女は首輪を砕き、自らの魔力でその命を繋ぎ止める。
やがて幻獣ルシアンは、耳と尾を残した不完全な人の姿で、騎士として彼女の傍に立った。
孤独な魔女と、不器用な幻獣。
それは救済か、それとも新たな支配か。
忠誠と執着のあいだで揺れながら、二人の静かな日々は少しずつ互いの孤独を侵食していく。
隷属の鎖か、救済の契りか。魔女に拾われた幻獣は、『人の形』を選ぶ。
傷ついた二人が居場所を見つけるまでを描く、微熱を帯びたダークファンタジー。
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