追放された春の令嬢、氷の将軍と世界を救う
この世界は、春・夏・秋・冬――四つの季節の国に分かれ、それぞれの神が民と大地に加護を与え、巡る時を織りなしている――――
春の国の名門公爵家に生まれた令嬢・リシェルは、穏やかで礼儀正しく、そして誰よりも聡明な女性だった。第一王子ロランの婚約者として、将来の王妃候補と目され、民からも王族からも高い信頼を得ていた。
しかし、血の繋がらぬ妹は、リシェルに対し密かに劣等感と嫉妬を抱いていた。自分の方が姉よりも優れている――そう信じていた彼女にとって、“姉が国母となる”という現実は耐え難いものだった。
そしてある日、宮廷にて突然の断罪が告げられる。セレナが涙ながらに「リシェルからいじめを受けていた」と訴えたのだ。かつてリシェルを慕ったロランの目には、今やセレナしか映っていない。彼の言葉は、まるで彼女の存在を否定する刃のようだった。国のために働いてきた努力も、誰よりも王子を支えようとした誠実さも、全てが無意味だったかのように葬り去られた。
国の体面を守るために黙っていたリシェルだったが、ついには“王子との婚約破棄”と“冬の国の将軍カイゼルとの政略結婚”が命じられる。
追放同然に春の国を離れたリシェル。だが、彼女の内にはまだ、誰も知らぬ“力”が眠っていた―――
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