読切短編 経験者優遇
魔王を倒した。世界は救われた。では、勇者は?
凱旋パレードの熱が冷めた王都に、ひっそりと「勇者支援センター」が開設される。剣術、魔法耐性、魔王討伐——輝かしいスキルシートを手に窓口へ向かった勇者を待っていたのは、「汎用性、低めですね」という一言だった。
転職活動に行き詰まった勇者が、ふと目にした一枚の求人票。そこに書かれた条件を読んだとき、二十年かけて積み上げた「正義」の意味が、音もなく崩れ落ちる。
善と悪は戦っていたのではなく、雇用し合っていたのだ。
笑えて、寒くて、二度読みたくなる。
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