勇者の影武者でやられる予定でしたが、魔王も偽物でした。

「影武者+偽物=最強! 影武者勇者と偽物魔王の逆転冒険譚」

「リヒト、お前はオレの影武者になれ」

 S級勇者パーティで、お荷物扱いされていた冒険者リヒト。
 様々な技能や特殊スキルにより活躍する仲間達に対し、スキル<失禁>しか持たないリヒト。それでも真面目に訓練を行い、影からパーティを支えていた。
 だが、いよいよ魔王と対峙するとなったある晩、勇者ヴァイスから驚くべき計画を告げられる。

 リヒトは勇者の影武者になる。
 魔王の攻撃を、リヒトが受けている隙に、勇者の特殊スキル<デスブレード>により魔王を倒す。
 当然、リヒトは使い捨てにされる。

 あまりにも冷酷な提案。
 リヒトはすべてに絶望し、その提案を受け入れる。

 そしてたどり着いた、魔王の間。
 だが、影武者となったリヒトが魔王に一撃を与えた瞬間――。
 魔王の仮面から、美しい少女が現れた瞬間――。

 彼は直感する。
 
 ――この魔王も、偽物?

 その瞬間放たれる、勇者の特殊スキル<デスブレード>。
 とっさに魔王をかばうリヒト。
 
 その瞬間、思わず失禁したリヒトに、謎の声が響く。

「あなたはスキル<失禁>を使用しました。
 スキル欄は空欄になります。
 この空欄に、他人のスキルを『奪取』することができます。

 ――スキル<デスブレード>を『奪取』しますか?」

 訳も分からず「イエス!」と答えるリヒト。
 その瞬間、彼は勇者のスキル<デスブレード>を使用可能になる。

 だが、一度奪取したスキルは一度しか使えない。

 その時、魔王の姿をした少女が、リヒトに言う。

「私の持つスキルは<反射>。
 どんなスキルでも、跳ね返すことができる。
 リヒトの使ったスキルを、私の力で反射させれば、何度でも『奪取』できる……」

 一度だけなら、どんなスキルも『奪取』できる能力。
 それを何度でも使えるようにする『反射』能力。

 力を合わせた二人は、エルフの村を救い、やがては世界を救うことになる。
 悪に籠絡された勇者達にざまぁしつつ、二人は旅をする――。

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