勇者の威を借るは魔王
「僕を、喰らってはくれないか」
魔王メレディスと対峙した『勇者』クライヴは、死の間際にそう言った。
メレディスはまだ息のある生物を喰らう事でその姿を模倣することができる能力を秘めていた。
魔族と人類が対立し、戦を繰り広げている現在、クライヴの提案はメレディスにとって非常に都合のいいものであった。
メレディスは望み通りにクライヴを喰らい、人の体を手に入れた。
そして人類の領土を内側から侵すべく、手始めにクライヴの故郷へと足を踏み入れたのだが……。
メレディスはそれをきっかけに、『勇者』の真実と人類の醜さを知ることになる。
「こんな腐った世ならば、いくら好きにしようが構わないだろう?」
『勇者』の姿を手に入れた魔王は腐った人間を圧倒的な力でねじ伏せる。
これは人類が魔王軍に敗するに至るまでの一幕である。
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