それでも家族だった
小学三年のある日、母から突然告げられた。
「お父さんと離婚して、東京へ行く」
そしてもうひとつ。
「今のお父さんは、本当のお父さんじゃない。本当のお父さんは死んだ」
父に何も告げないまま、母と二人で釧路の家を出た。
父からもらったミニカーも、写真も、思い出の品も置いたまま、小さなかばんひとつで。
それから長い年月の中で、家族は何度も形を変えていった。
血のつながった父。血のつながらない父。母。そして、離れていった人たち。
誰が本当の家族だったのか。
血がつながっていれば家族なのか。
一緒に暮らしていれば家族なのか。
これは、実体験をもとに、一人の男の人生として再構成した私小説。
長い時間をかけて家族というものを振り返ったとき、最後に残ったのは、ひとつの思いだった。
――それでも、家族だった。
「お父さんと離婚して、東京へ行く」
そしてもうひとつ。
「今のお父さんは、本当のお父さんじゃない。本当のお父さんは死んだ」
父に何も告げないまま、母と二人で釧路の家を出た。
父からもらったミニカーも、写真も、思い出の品も置いたまま、小さなかばんひとつで。
それから長い年月の中で、家族は何度も形を変えていった。
血のつながった父。血のつながらない父。母。そして、離れていった人たち。
誰が本当の家族だったのか。
血がつながっていれば家族なのか。
一緒に暮らしていれば家族なのか。
これは、実体験をもとに、一人の男の人生として再構成した私小説。
長い時間をかけて家族というものを振り返ったとき、最後に残ったのは、ひとつの思いだった。
――それでも、家族だった。
4件
最後まで読ませていただきました。
京之介さんの大切な方達が亡くなるのはとても辛かったですが、それでも幼い頃欲しかった「家族」はちゃんと手に入れることが出来ていた事が救いになりました。京之介さんが生きることを諦めず、懸命に歩んできた事で自ら掴み取っていた幸せがそこにちゃんと存在していたんですね。
血の繋がりだけが「家族」ではないです。自分のことを大切に思い、自分も相手のことを思いやれる関係を結べる相手が自分にとっての「家族」なんだと、改めて感じました。
どうぞこれからも体調にお気をつけて素敵な作品紡いで下さいね。応援してます。悠藤より。
ミュート中です
解除
幼い京之介の気持ちを思うと、胸が締め付けられる気持ちになりました。
どうか自分で見つけた暖かく幸せな人生を最後まで守り通せますように。
そんな気持ちになります。
私小説との事で、筆者の方が大切にされてる、「相手を責めず、自らを省みる」という作品の登場人物の性格の一遍は筆者の方自身の歩んでこられた道程にあるのだなと、読み進めて感じました。
今までの作品への見え方も更に深まりそうです。
これからも応援しています。
ミュート中です
解除
4件
あなたにおすすめの小説
甘え嬢ずな海部江さん。
※最終話2023年2月18日投稿。(完結済)
※この作品には女性同士の恋愛描写(GL、百合描写)が含まれます。
苦手な方はご遠慮下さい。
人は接する者によって、態度を変えている。
それは、多かれ少なかれ、皆そのはずだ。
どんな聖人君子でも、絶対の平等などありえない。
多かれ少なかれ、二面性があり、それが共存して一つの人格となっている。
それは皆が持っているものだ。
そのはずなのだ。
周囲の視線。
それが一変した。
尊敬や羨望の眼差し。
それが嘲笑や蔑視へ変わった。
人間とは、身勝手な生き物で、自身の抱いたイメージとかけ離れた者を見るとそれを否定する。
完璧主義の押し付け。
二面性を認めず、皆は彼女に完璧を求めた。
たとえそれが本人の嫌がる行為であっても善意の押しつけでそれを行うのだ。
君はそんな子じゃない。
あなたには似合わない。
背が高く、大人びた見た目の海部江翔子。
背が低く、幼い印象の雨枝真優。
これは、そんな二人の少女の凸凹な物語。
※この話はフィクションであり、実在する団体や人物等とは一切関係ありません。
誤字脱字等ありましたら、お手数かと存じますが、近況ボードの『誤字脱字等について』のページに記載して頂けると幸いです。
毎週土曜日更新予定です。
※また、タイトルの読み方は『あまえじょうずなあまえさん。』です。
終電を逃したら、会社のエースに拾われました〜「ずっと気になってた」なんて、聞いてません!
会社の忘年会の帰り、終電を逃してしまった美咲。
同じく終電を逃した同期の日下蓮と、始発まで一緒に過ごすことになる。
深夜の公園やファミレスで過ごすうち、これまで知らなかったお互いの一面を知る二人。
終電を逃した一夜から始まる、二人の恋の物語。
色づく景色に君がいた
あの頃の僕は、ただただ真面目に日々を過ごしていた。
それをつまらないと思っていたつもりも、味気なく思ったこともない。
だけど、君が僕の前に現れたとき、僕の世界は急激に色づいていった。
そして「大人」になった今、僕は彼と再会する。
*タグ確認推奨
関連作品(本作単体でもお楽しみ頂けます)
「明日のために、昨日にサヨナラ(goodbye,hello)」(妹・橘礼奈)
「キミがいてくれるなら(you are my hero)」(兄・橘悠人)
ママと中学生の僕
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ログインすると感想の投稿ができます。