異世界令嬢の中の人、竜のお世話ではっちゃける〜フォートランド・ドラゴンファーム業務日誌〜
暗く狭い塔の階段を泣きながら、何かから逃れるように駆け上がっていく人影…やがて塔の窓から虚空へと飛び出しかけたその姿に、とっさに「駄目!」と声をかけた「私」は、見たことのない部屋のベッドで目を覚ました。昨日までの自分自身とはかけ離れた容姿になって。
―え、転生?もしかしてお嬢様に生まれ変わってます??でも待って、死んだ覚えはないんですが!?あ、なにあれ、なにあれ、ファンタジー生物が空飛んでるぅぅ!!
シリアスな雰囲気で始まったはずなのに、主人公のポンコツ具合のせいで事態が深刻化しないまま、竜牧場(ドラゴンファーム)でのほのぼのした日々が始まる。
――お嬢様のはずだけど、お家の稼業に精出します!目指せ、ドラゴン界のトップガン!
〇エレノア・フォートランド 16歳 愛称エラ。もしくはエリ。
セントガーデン公国フォートランド辺境伯の二女(長女は故人)。
「竜の守り人」として騎竜の育成、預託牧場を営む家に生まれながら、幼少期の体験により、騎竜に近寄れなかった。その為、長く自室に引きこもる生活を送ってきて虚弱な体になっていたが、塔の階段での転落事故にあってから、人が変わったように積極的になり、騎竜の世話に励む。
亜麻色の髪、褐色の瞳。青白いほどの肌色だったが、後に日焼けして健康的な乳白色となる。
〇「中の人」城山恵梨香 (自称)25歳
日本人。気づいたら、エレノアの中の人になっていた。新卒で就職したが、なんやかやで辞めて、実家の事務所で事務員として働いていた。
地方の親戚が畜産農家で、夏季休暇はよく手伝いにかり出されていた。難しいことを長く考えるのはキライ、と本人は語る。
「きっとね、選んだ道が正解かどうかじゃなくて、後から、どうにか辻褄を合わせればいいんだと思うのよ、人生って」
―え、転生?もしかしてお嬢様に生まれ変わってます??でも待って、死んだ覚えはないんですが!?あ、なにあれ、なにあれ、ファンタジー生物が空飛んでるぅぅ!!
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