婚約者様? お唇にお口紅がお付きですけど、お気づきですかぁ? ア゛ァッ!?

私はアッカリー伯爵令嬢ロレイン・バーグ。
招かれた晩餐会で、ちょっと婚約者の姿を見失ったと思ったら……

「ジェラルド様? お口に」
「ふぇっ?」

脳みそドロドロになって戻っていらっしゃったわよ。
そんなことある? 

「なんだい、ロレイン。人前で馴れ馴れしく触るなよ」
「あ゛? 随分と勝手な言い草だな。間男野郎が」

私たちの間に颯爽と割って入ったその人は、グレイ侯爵令息。

「セシルに俺が〝できない〟イイコトしてくれたんだって? ア゛ァッ!?」

私が思ってるよりずっと大事。
つまりジェラルドのお相手は、ラングリッジ伯爵令嬢のセシルって事。

「嘘でしょ」

修羅場だわ……
それにまさか、これが運命の出会いになるなんて……

そんなこと、ある?
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