残された時間小説一覧

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四十を目前に控えたある日、僕は突然、余命三ヶ月の宣告を受けた。 癌だった。スキルス胃癌というやつで、進行が早く、既に胃壁を破って腹腔内に癌細胞がばらまかれ、転移も確認されてるということだった。 もう手術もできないそうだ。下手に触るとかえって進行を速めてしまう危険性があるらしい。 一縷の望みを託した抗がん剤治療も始まったけど効果はなく、二ヶ月余りの時間が過ぎた時、僕の前に<あいつ>は現れた。 「私は、クォ=ヨ=ムイ。お前達が<神>とか呼ぶ存在だ。 でまあ、それはどうでもいいんだが、お前に残された時間はあと二百万秒。その二百万秒で世界を救ってみないか?」 その、軽口を叩く自称<神様>に唆される形で、僕は世界を救う為に、人間を皆殺しにしようとしてる怪物を退治することになった。 もっとも、その怪物退治自体は幼児でもできそうな簡単なものだった。クォ=ヨ=ムイによって二百万倍に加速された僕の力は、触れるだけでどんなものでも破壊できるからだ。 だけど、正直なところ、僕には世界を救いたいという欲求はなかった。そんな僕のモチベーションの為にクォ=ヨ=ムイは二つの条件を示した。 一つは、僕の癌を治すということ。もう一つは、 「女を助けたら、その女もお前と同じように動けるようにしてやろう。そうしてハーレムを築くといい!」 というもの。 確かに癌を治してもらえるというのは魅力的だったけど、もう一つは完全に蛇足だった。僕は人付き合いが苦手で女性と付き合いたい欲求もあまりなかったから。 なのにクォ=ヨ=ムイは<余興>だと言って勝手にそういうことにしてしまった。 そうして、幼稚園に通う<みほちゃん>、ちょっと気難しい大学生の<吉佐倉さん>、アメリカ軍人の<アリーネさん>、ドイツ人で日本のアニメ大好きな<エレーンさん>、フィリピンの小学校に通う褐色少女の<シェリーちゃん>。 ハーレムと言いながら半数以上が手を出したら即アウトな彼女達と一緒に、僕は怪物退治を続けることになった。 けれど、僕にとっての最大の<敵>は怪物ではなくて、時間と共に悪化していく自分自身の体調だった。すると、ハーレムとか大きなお世話でしかなかった彼女達が僕を支えてくれて、怪物退治を続けられたんだ。 でも、クォ=ヨ=ムイの本当の狙いには、僕達は全く気付かなかったのだった。
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文字数 100,717 最終更新日 2023.01.21 登録日 2022.10.21
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恋愛 完結 短編 R15
この世界にあるただ一つの大陸。その上空に突如現れた巨大な流れ星。それが落ちて来るのは今から三日後だという。 各国の王は声明を出した。「この世界は三日後に滅ぶ。各人、思い残すことのないように残された日を過ごすように」 それぞれが思い思いに最後の三日間を過ごす。 ある者は、それまで決して表に出すことのなかったことのなかった恋を打ち明ける。 ある者は、それまでの日々を振り返り、愛する者に感謝する。 ある者は、ずっと抑えてきた復讐心を開放する。 星が衝突する最後の日、彼らはどんな思いでその時を迎えるのだろうか。
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文字数 66,733 最終更新日 2021.05.14 登録日 2021.04.23
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