暴君で暗愚な夫小説一覧

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恋愛 完結 短編
アラエル国王の唯一の汚点、それは国王ヨセーファの女遊び。 美貌に恵まれながらも内気な王妃ユリアは〈お飾り〉や〈お人形〉と陰口を叩かれている。 ユリアは、亡き先王が晩年になってやっと授かった、たった一人の王女だった。 だから父亡き後は宰相ポジロスに従うしかなく、嫡男ヨセーファと結婚したのだ。 「ユリア様。あなたの善き夫、善き国王として、この命を捧げます」 結婚式でそう誓ってくれたあの日のヨセーファは、もういない。 「君には国政なんてわからないだろう。口を出すな。黙って横に座っていればいいんだ」 国王という絶対的な権力を手に入れて、酒と女に溺れる日々。 ──どうして……なぜなの、ヨセーファ。 ──私と、国と、民を、愛してくれると言ったあなたは幻だったの?  結婚5周年の祝祭の日、不幸な山火事が起きて一つの村が壊滅的被害を受けた。 国王ヨセーファが宣言したのは復興事業ではなく……  「炙り出された女を集めて巨大なハーレムを作るぞ!」 もうお飾りではいられない。ユリアは立ち上がる。 「せめて私だけはこの国を愛さなくては……私はたった一人の、アラエル王家の末裔なのだから」 ユリアは幽閉された大宰相カリウワルスに助言を求めた。 そこで神官イヴェルと再会する。 イヴェルは大宰相の息子であり、ユリアの初恋の人だった。
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文字数 12,028 最終更新日 2022.07.16 登録日 2022.06.25
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