ファンタジー 童話風小説一覧
或る村に双子の姉妹が居ました。
美しい金髪の姉は生まれながら魔の力を有していました。
烏羽色の髪の妹は特別な力を何も持っていませんでした。
けれど、妹はただの村娘にも属せません。
妹の黒髪には、一束だけ鮮血のように紅い髪が混ざっていたのです。
騎士が村を訪れます。
国を護る魔女の力を受け継ぐため、魔の力を持つ娘を捜している、と。
村長と両親は姉を差し出します。姉は喜んで騎士と共に行きます。
その様子を屋敷から眺めていた妹は呟きます。
魔女様、どうか、どうか、わたしの姉を選ばないでください。
その後、姉が村に戻ることは有りません。
その後、妹も村に戻ることは有りません。
力を得た若い娘は、どちらだったのでしょう。
力を得た若い娘は、どうなったのでしょう。
これは、存在を否定され続けた少女が綴る物語。
文字数 10,857
最終更新日 2021.05.05
登録日 2020.10.31
少年は魔の力を求めていました。病に倒れた母を救うために。
けれど、少年は男が魔の力を扱えないと知ります。
絶望する少年に、一羽の烏が囁きます。
我が主人ならば貴方にも魔の力を与えられます。
烏が提示した条件は、魔女のために働くこと。
少年は与えられた剣を握り、命じられるままに殺戮を繰り返します。
何故剣を振るっているのか忘れてしまうほどに。
これは、ある少年の絶望と復讐と贖罪の物語。
文字数 4,463
最終更新日 2020.10.11
登録日 2020.10.10
その小さな村は夜空の瓶詰の産地。
十歳になれば、やっと瓶詰作りに参加できる。
十歳になったジェールは、瓶詰を作るために『夜空の泉』と向かう。
いつか明けてしまう夜のように、ちょっと切なくもほのぼのファンタジー。
※他サイトでも公開しています。
文字数 4,041
最終更新日 2022.04.28
登録日 2022.04.28