ファンタジー 幸せになります小説一覧

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 在澤哉子(ありさわかなこ)55歳。  30代までは、159cm42kg83・52・81の嫋やかな(たおやか)10人中9人は美人と言ってくれる美貌と、マックスマーラを着こなすセンスと、メーカーでエンジニアとして第一線で活躍するキャリアウーマンだった。  結婚の為、退職。夫は、一流企業に勤務していた。親がいないんじゃないかと思う程無関心だったのに、哉子の妊娠と共に干渉が始まり、夫は、哉子に自分の親を押し付け仕事に託け逃げるくせに、哉子が苦情を訴えると暴力を振る様になった。子供にも。百歩譲って自分は嫁だから、我慢したとしても、まだ、離乳食も始まっていない生後4ヶ月の息子の口に大福を捩じ込むバカな夫の両親には恐怖しかなく、息子を連れて逃げ出した。哉子の父は、癌で亡くなっており、母は、妻子ある男と出奔していた。  息子は、23週で既に異常があったにも関わらず、出産予定日迄見逃された。羊水は既に微量破水により、無く、胎児仮死だった。先天性の疾病も抱えていた。異常分娩の影響もあった。 医者も、看護師も、夫も、義父母も、実母も、百害あって一利なし、だった。なんだかんだと、よく、育てたと、今になって思えば、自分を褒めてあげたい、って処だが、いかにせん、哉子は、典型的な自己評価の低い人間だった。だから、恐らく、かなり、苦しい人生だった。 50になってから、蕁麻疹と持病の喘息の悪化で薬を多量に服用し始めた。掛かっていた病院の医療ミスで怪我をして、仕事もクビになった。病院は、認めないしね。弁護士は、お金のないのは相手にしないしね。  哉子は、クソ真面目で、融通のきかないタイプ。メーカーで開発は、楽しかったし、性格に合っていたから、ハードな仕事だったが、少しも苦しくなかった。のに、子育てをしながら出来る仕事は所謂、誰にでも出来る事だったが、哉子には、出来なかった。履歴書を出して応募すれば、わざわざ面接で、いや〜こんな高学歴でキャリアのあるひとにうちの仕事なんか申し訳なくて、と嫌味を言われて何十社も落とされた。前職や学歴を黙っていても、意地の悪いノンキャリアの役付にバラされ、同僚に意地悪された。  気がつくと、借金700万。 挙句は、子宮癌で、ステージⅣ、余命3ヶ月だってさ。  奮発して、30年ぶりに、カルヴドスを買った。懐かしい味だった。わたしの、輝きがあったとしたら、恐らく、その象徴。 真っ暗な部屋で、中島みゆきを聴きながら泣いた。なんて、生きづらい人生だったろう、って。ただ、黙って泣いた。 1本空けた。倒れる様に、寝た、筈。 誰かに、揺さぶられ、眼を開けたら、知らないオジサンの腕の中、だった。
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文字数 30,838 最終更新日 2023.03.17 登録日 2021.08.19
 「マリアニタ、お前のような貧相な体の女とは婚約破棄だ」  両親にいじめられ満足に食事もとらせてもらえずオズボーン男爵家の仕事は全ておしつけられてきた私は 確かに貧相な体です。  「俺様は真実の愛に目覚めた」  「僕はお前の妹のキャサドラのように肉付きのいい女が好きなんだ」  両親と妹に殺されそうになったので、夜行バスに乗り東京に逃げ出しました。 逃げてきたのはいいけれどお金がなく困っていたのですが、 見るからに金持ってます感あるイケメンが襲われていてました。 なんで弱いのに馬鹿みたいに趣味の悪い高級時計や高い服を着たがるのでしょうか。 襲ってくれと言ってるようなものじゃないですか、馬鹿なんでしょうね。 なんて笑っていたら「助けてくれたら20万円やるから助けろ」と言われ、 100万ぐらいくれよなんて思いながらもとにかくお金に困っていたので助けました。  「君細いし可愛いな」  「俺の好みだ。女はお前ぐらい細くないと俺はたたない」  「貴方は見るからに馬鹿だけど容姿はいいわね」 私は馬鹿な金持ちイケメンに愛されて六本木セレブ妻になりました。  両親と妹は私がいなくなった事で収入が激減し借金して困っているそうです。 それ私に何か関係ありますか?  「借金で殺されそうなんだ。助けてくれ。今までお前をいじめてきた事は謝る」  「はぁ?なんで私が貴方達を助けないといけないのかしら」  「今まで私をいじめてきて、それで助けてくれですか」  「謝れば許されるとでも思ってるのかしら」  今更謝ってももう遅い。
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文字数 6,967 最終更新日 2021.07.22 登録日 2021.02.11
 「リリア、お前に婚約破棄を告げてやる」  「あの、私がいなくなればイシリゲ王国は滅びますよ。それでもいいんですか」  「お前のような怠け者の聖女がいなくとも問題ない」  底辺程、私は怠け者で働かないと見えるようです。  馬鹿婚約者との無駄なやり取りをしている時間が惜しいぐらい私は聖女としての仕事をしているし 努力しているんですがね。  「俺は真実の愛に目覚めた」  「驚かないで聞けよ。俺が愛しているのはお前の妹のジュリアだ」  「怠け者の聖女なぞ不要だ。お前は婚約破棄聖女の資格を剥奪追放だ」  「辞めた方がいいと忠告はしておくわ。この事を陛下が知ったら、貴方も良くて死刑か追放よ」  「怠け者のお姉様は負けたのだから、とっとと逃げるといいわよ」  「お前のような怠け者と喋るのは時間の無駄だ。早くイシリゲ王国から出て行け」  はぁー。何度も忠告しましたからね。ここまで忠告して従わないのだから、これでどうなろうと 私が罪悪感を感じる事はないでしょう。  私の物をなんでも奪ってきて虐げてきた妹とはいえ私のたった1人の妹。  死ぬ事も拷問にかけられる事もないようにと忠告していたのに。  もう妹がどうなろうと私が心を痛める事もありません。  あ、元婚約者ですか。それはどうぞ思う存分苦しんで、もう殺してくれと願っても 苦しみ続けて下さい。  私の両親もイシリゲ王国の民も大変な事になるでしょう。  生きたままモンスターに少しずつ食われるのは辛いでしょうね。  モンスターはただの遊びで人間を苦しめますよ。  人間同士だと、拷問も残虐な処刑も結局誰かが気分を悪くして早く殺してやろうとなるんですがね。  モンスターと人間はまったく別の生き物ですから。 そこに情けや同情なんてありません。  モンスター舐めてませんか。あれは本当に恐ろしいんですよ。  でも聖女の資格も剥奪され国外追放されたので、私にはどうしようもないんです。  精々生き地獄を味わえ馬鹿ども。  「俺ならお前に正当な評価をしてやれる」  「聖女としても優秀だが、お前は本当にいい女だ。俺の妻に相応しい」  隣国の王太子に溺愛されて幸せな日々を送っています。  どれだけ助けを求められてももう助けませんよ。ざまぁぁぁぁ(笑)
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文字数 2,148 最終更新日 2020.12.20 登録日 2020.12.07
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