ライト文芸 嫁姑 小説一覧
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4件
1
義母の手作り餃子をゴミ箱に捨てたら、家族会議で裁かれた。だから全部茹でて、みんなに食べてもらった
毎朝これを茹でて食べなさい――義母が冷凍庫に作り置きした手作り餃子。私は三つの保存容器の中身を、ごみ箱にあけた。
財布を取りに戻ってきた義母は、それを撮影して家族のグループへ送り、それからごみ箱に手を入れた。一つずつ拾って、破れた皮を包み直す。私は、餃子の入った容器を冷凍庫に戻した。
20分後、義兄と義妹たちが押しかけてくる。朝4時から、手が冷たくなるまで包んだものを、ごみ箱に。夫は3月末から船の上で、電話もつながらない。
私が口を開くたび、誰かの声が上からかぶさる。理由を聞いてくれる人は、一人もいなかった。
12時を過ぎて、私はいちばん大きな鍋に湯を沸かし、容器を全部あけて、人数分の茶碗によそった。
「どうぞ。よく煮えてます」
褒めていた人たちは、箸を取った。作った人だけが、取らなかった。
全10話。
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
2
夫のカバンにあったリモコンを、こっそりペアリングしてみた。翌日、義弟の結婚式で夫が悲鳴を上げた
夫のカバンの奥に、リモコンが二つ入っていた。表面に記号が三つずつ刻んである。画像検索の一行目で、それが何かは分かった。本体はどこにも入っていない。寝室を分けて半年。
取扱説明書に、共有コードを入力すれば端末を三台まで追加できると書いてあった。入力した。
午前 2 時、夫のスマホに〈料金案内センター〉から請求の案内が届く。整った数字の行の下に、書式の違う一行だけが残っていた。〈明日、本当にあそこまでやるの?〉
朝、ゲストルームは空だった。テーブルに祝儀袋が置いてある。メッセージは二件。〈式は俺が行く。家で頭を冷やせ〉
義弟の披露宴で、義母は私の祝儀袋の封を切り、札を数えて顔を上げる。「兄夫婦で 10万?」 夫の席は空いたままだ。
バッグの中で、アプリはまだ開いていない。
全7話。
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
3
130キロの通知を、夫には黙っていた。還暦祝いで「家を寄こせ」と言う義母を、親戚50人ごと我が家のトイレへ案内した
深夜2時、出張先のホテルに通知が届いた。
『異常荷重を検知:130kg』
商品企画の社員モニターとして、自宅の2階に付けた温水洗浄便座。座った人の体重まで記録するその機能を、夫は知らない。
私は60kg、夫は85kg。この家に、130kgの人間はいない。
設置から3か月のログには、130kg台の記録が37回。どれも、私が留守にしていた日だった。
130から85を引くと、45。
「実家にいる」と言う夫の電話の向こうで、子どもが「ママ」と呼んだ。
私は、夫を問い詰めなかった。
数日後、駅前のホテルで義母の還暦祝いが開かれる。親戚は50人。祝儀袋を「たった2万?」とテーブルに叩きつけた義母は、亡くなった父が建てた私名義の家の贈与契約書を差し出した。立会人の欄には、夫の署名。
「この家を、私の名義にしなさい。それが還暦祝い」
宴の途中、スマホにまた通知。
『異常荷重を検知:131kg(継続中)』
「判を押すなら、家で押します。皆さんにも、お義母さんが住むおつもりの家を見ていただきましょう」
還暦祝いは、親戚50人そろっての我が家の内見になる。
全六話。
4
ダンナ様はエスパー?
灯里と一回り年上の久志の新婚夫婦。
憧れのマンションライフをスタートする。
自信がなく、引っ込み思案の灯里を
優しく見守るダンナ様…
彼女は常々思う。
彼はエスパーじゃないか?と…
ちょっぴりホッコリとして、
優しい話にしたいと思います。
よろしければ、お付き合いくださいね!
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