詩のふりした小説 小説一覧
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欠けた月
夜になると
人は少しだけ本音に近くなる
欠けたものを抱えたまま
何もないふりをして生きていた啓介
そこへ美鳥が来る
勝手に部屋に馴染み
猫と遊び
静かな暮らしを少しずつ塗り替えていく
けれど啓介の中には
拭えない影が残っていた
冷めたコーヒー
消えかけの煙草
猫の鳴き声
隣にいたはずの誰か
欠けてしまったまま
それでも続いていく
ばらばらに見える日々が
あとから少しずつ繋がっていく
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