孵化 小説一覧

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孵化した私ですが、お父様の過保護が止まらない?!

孵化した私ですが、お父様の過保護が止まらない?!
「氷の王子」 ——それが、この国の第一王子であるレオンハルトにつけられた異名だった。 冷酷無比で感情の起伏を見せず、政治においても戦場においても一切の容赦がない。 そして何より、彼は人間ではない。 王家に時折発現する「龍族」の濃い血を引いており、すでに数百年という途方もない時間を生きている。 彼にとって、人間の短い一生など瞬きのようなものだった。 その日、レオンハルトは深い森へ視察に訪れていた。 鬱蒼と生い茂る木々の隙間から差し込む光の中、彼の鼻腔をある匂いがくすぐった。 それは、何百年も凪いでいた彼の魂を激しく揺さぶる、甘く、それでいて狂おしいほどの引力を持った匂いだった。 (……番、か) 龍族にとって「番(つがい)」は絶対の存在だ。 本能が惹きつけられるままに森の奥へ進むと、苔むした大樹の根元に、それはあった。 淡い真珠色に輝く、美しい模様が刻まれた大きな卵。 レオンハルトはひざまずき、そっとその卵に触れた。 かすかな温もりと、中に宿る小さな命の鼓動が伝わってくる。 間違いない、この中にいるのは自分の運命の番だ。 氷のように冷たかった彼の赤い瞳に、初めて熱い執着の火が灯った。 彼は自分の外套を脱ぎ、卵を大切に包み込むと、誰にも触れさせまいと自らの腕で抱えて城へと帰還した────。
ファンタジー 完結 短編 R15
感想数 0 文字数 25,907 最終更新日 2026.09.03 登録日 2026.09.03
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かかふかか

かかふかか
ある朝目覚めたら俺は芋虫になっていた。なんだか妙に気分がいい。 もぞもぞと布団から這い出ると、昨日俺が寝たまんまのワンルーム。そして隣には彼女が転がって寝ていた。もぞもぞと人間であったころの皮を食べていると彼女が起き出して俺の背部を優しく撫でる。 「んん、あら、随分奇麗に変態できたじゃない」  そんな声と共に背を撫でられる感触。触れられた表皮が水風船のようにクネクネ動いて妙な感触がある。 「あの」  と頑張って声を出したら一緒にふしゅると糸が出た。
ホラー 完結 ショートショート R15
感想数 0 文字数 7,793 最終更新日 2021.08.25 登録日 2021.08.25
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