「ねえ、リュリ。アナタ、協力してくれるわよね」
ローゼリィお嬢さまの一言で始まった、とんでもないお願い。
お嬢さまは、あたしたちのいるこの世界とは別の所、異世界からの転生者で、今いるこの世界は、「ゲーム」のなかなのだと言う。そしてお嬢さまは、「悪役令嬢」。主役の女の子をイジメて、婚約破棄、断罪、下手すりゃ処刑という、最悪な未来の待つお立場なのだ。
――げぇむ?
――てんせい?
――あくやくれいじょう?
なんのことやらサッパリわかりませんが、とにかく、あたし、リュリはお嬢さまのためにガンバリマスッ!! 最悪な未来を回避するために、なんだってお手伝いいたしますともっ!!
……って、え!?ええっ!?
お手伝いって、まさか、お嬢さまの身代わりに学園に通うことなんですかっ!?
いや、それは、ちょっとさすがに。
しかも、そこにはお嬢さまを破滅させる未来を引き寄せてしまう、「攻略対象者」の皆さまもいらっしゃるのっ!? それも七人っ!!
うえええっ!! あたし、バレずにお嬢さまのフリ、出来るんでしょうかっ!!
ええいっ、こうなったら、女は度胸よ、根性よ。やってやろうじゃない……の、って。やっぱり無理です、お嬢さまぁ!!
文字数 118,187
最終更新日 2022.08.02
登録日 2022.08.02
「リリー。アナタ、結婚なさい」
それは、ある日突然、おつかえする王妃さまからくだされた命令。
まるで、「そこの髪飾りと取って」とか、「窓を開けてちょうだい」みたいなノリで発せられた。
お相手は、王妃さまのかつての乳兄弟で護衛騎士、エディル・ロードリックさま。
わたしのあこがれの騎士さま。
だけど、ちょっと待って!! 結婚だなんて、いくらなんでもそれはイキナリすぎるっ!!
「アナタたちならお似合いだと思うんだけど?」
そう思うのは、王妃さまだけですよ、絶対。
「試しに、二人で暮らしなさい。これは命令です」
なーんて、王妃さまの命令で、エディルさまの妻(仮)になったわたし。
あこがれの騎士さまと一つ屋根の下だなんてっ!!
わたし、どうなっちゃうのっ!? 妻(仮)ライフ、ドキドキしすぎで心臓がもたないっ!!
文字数 72,812
最終更新日 2022.08.01
登録日 2022.07.30
――俺、入れ替わってる!?
俺、瀬戸和樹は、ある日起きたら、見知らぬ女性のなかにいた。
見知らぬ……!? いや、知ってる。これ、母さんの身体だ。それも22年前の。
1999年の年末。俺は、そこで母さんになっていた。
ちょうどその時期は、母さんが俺を妊娠する時期で。ってことは、ここには俺の知らない父さんがいるわけで。
誰が俺の父さんなんだ? んでもって、いつになったら元に戻るんだ?
母さんとして過ごす日々。母さんと仲のいい男性たち。俺の知らない母さんの過去。今さら父さんが恋しい歳でもないけど……やっぱり気になる、父さんのこと。
母さんと縁があるのは、幼なじみの「ヤマト」と「タカヒロ」。このどちらかが父さんなんだろうけど。
ヤマトは研究のためアメリカに旅立つし、残るはタカヒロか? タカヒロが俺の父さんなのか?
そんな時、ヤマトが倒れたと知らせが入る。病におかされた彼の生命はそう長くない。
死ぬ間際の人間だからか。ヤマトは、母さんのなかにいた俺を見つけてくれた。
そして。
―-生まれてくれてありがとう、と。
これは、俺が「俺」を知るための物語。
俺が、父さんと母さんから受け取ったものを未来へと繋いでいく物語。
文字数 21,435
最終更新日 2022.07.30
登録日 2022.07.30