風を待つ
東北日本海沿いの港町・坂巻は北前船で栄えた町だ。坂巻の遊郭に売られた遊女おしのは去年の秋、北前船の若き船頭・重蔵から身請け話をされたが、不幸な人生しか知らないおしのは男の言葉を信じられず断った。そんなおしのに重蔵は「来年の春また来る。その時にもう一度返事を聞かせて欲しい」と言いおいて、大阪に向かう船で去った。そして春が来たが風は吹かず、北前船の来航が遅れていた。
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