縁日ヶ丘物語
「私は飛んでっちゃいたい。もっとラクな世界に」
「どこでも駆けつけるよ。呼ばれなくても遊びに行くよ」
「一緒に来てもいいよ」
けれども、舞は優しくなでながら、
「一緒には、もう行けないよ」
美那子の閉じた目に、涙がにじんだりしたかもしれなかった。しばらく閉じたままでこらえて、それは流れることなく消えたりしたかもしれなかった。
「――……仕方ないね。きっと遊びに来てね」
「うん。絶対に行くね」
(本文より)
※第四十四回すばる文学賞(2020)第1次予選通過(のち改稿)
第5回幻冬舎ルネッサンス新人賞(2024)大賞候補(のち改稿)
※ステキブンゲイにて、ジャンル別ランキング(ヒューマンドラマ部門)最高1位。
「どこでも駆けつけるよ。呼ばれなくても遊びに行くよ」
「一緒に来てもいいよ」
けれども、舞は優しくなでながら、
「一緒には、もう行けないよ」
美那子の閉じた目に、涙がにじんだりしたかもしれなかった。しばらく閉じたままでこらえて、それは流れることなく消えたりしたかもしれなかった。
「――……仕方ないね。きっと遊びに来てね」
「うん。絶対に行くね」
(本文より)
※第四十四回すばる文学賞(2020)第1次予選通過(のち改稿)
第5回幻冬舎ルネッサンス新人賞(2024)大賞候補(のち改稿)
※ステキブンゲイにて、ジャンル別ランキング(ヒューマンドラマ部門)最高1位。
あなたにおすすめの小説
終わりにします
「終わりにします」
その言葉とともに、侯爵令嬢シルヴィアは毒を飲んだ。
婚約者は妹を選び、父は妹だけを信じた。
誰にも必要とされなかった人生を終えたはずなのに、目を覚ますと三か月前へと時間は巻き戻っていた。
もう、誰かに愛されるためだけに生きるのはやめよう。
そう決めた彼女は、静かに運命を書き換えていく。
これは、一度死んだ少女が、自分自身の人生を取り戻すための物語。
【完結】旦那様には好きな人がいる
私の旦那様である、テオドール・セルヴァン侯爵様には好きな人がいる。
それは、幼馴染であり、王太子妃でもあるマチルダ様だ。
お二人は、いつもとても仲睦まじいご様子で、そんな叶わぬお二人の恋をそっと見守るのが私の日常だった。
そんなある日、夜会にめったに顔を出さない王太子殿下に、ダンスに誘われて。それがきっかけで、私の日常は少しずつ変化し始めた。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科
空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する
高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体
それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった
至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する
意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク”
消える教師
山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー
【完結】今日、愛する妻が死にました。
※2025/10/4〜10/7までに投稿・完結した作品です。一度非公開にしていたものを、再び公開に切り替えました。
山本圭吾(やまもとけいご)43歳。
今日、十数年連れ添った妻、のぞみが末期がんのため、この世を去った。
圭吾は、愛する妻の死を受け入れられず、ただただ悲しみに暮れていた。
そんな中、葬式の会場で声をかけてきた女性。
その女性の手には、一枚のハンカチが握られている。
それは、明らかに妻のものではなく、妻の好みからもかけ離れていた。
圭吾は訝しみながらも、そのハンカチを受け取る。
これから何が始まるとも知らないで。
圭吾は、死んだ妻をめぐる『謎』に知らず知らず足を踏み入れていくーーー。
※作品の無断転載、AI学習など一切を固くお断りいたします。(Do not reupload / use my writing for any purposes, including for AI)
サンシャイン。
人間不信の少女・西原月が、“中身は人間”の柴犬・朝倉太陽とともに、人間の温かさを思い出す物語。
ある日、西原月は人間の言葉を喋れる柴犬・朝倉太陽と出会う。しかし、太陽の声は月にしか聞こえていないという。太陽を人間に戻すため、月は太陽に協力することを誓った──。
茶番には付き合っていられません
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。
婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。
これではまるで私の方が邪魔者だ。
苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。
どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。
彼が何をしたいのかさっぱり分からない。
もうこんな茶番に付き合っていられない。
そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。