無能皇子と色無し剣精 ~わたしを顕現させた無能皇子は、どうやら無能じゃなかったようで?~
剣は、その担い手となる人の力によって、姿を顕現させる。
剣綬の儀。三口の剣が、三人の皇子の前に用意された。
一の皇子は、火を操る。生まれた剣は、大剣。燃えるような赤い髪の剣精だった。
三の皇子は、光を操る。生まれた剣は、やや小ぶりの剣。金色の光る髪の剣精だった。
二の皇子は、無能。生まれた剣は、普通の剣。普通の女性にしか見えない剣精だった。
火、土、金、水、木。
そんな力のある世界で、真っ黒な髪の平凡な容姿で生まれてしまった、名も授けられない剣精。
担い手が、アイツが力を振るえるようになれば、わたしの色も決まるかも!
そう思って、二の皇子に力をつけてあげようと奮闘するのだけど。
二の皇子は、色無し剣精の熱意から逃げてばかりで。いつもどこかでひっそり書を読んでる能無しで。
このままじゃ、わたし、ちゃんとした剣精になれない!
焦るのに。
アイツは、「ごめんね」と謝るけど、協力してくれなくて。
そんな時。
他国の軍が攻めてきて。
病床の皇帝に代わって、各々の剣を腰に出陣した三皇子。
能無しが何の役に立つの? 敵なんて、炎の一の皇子が全部やっつけちゃうわよ。
そう思っていたのだけど。
事態は、そう簡単に行かなくて?
剣の精霊と、剣の担い手が番となって、国を世界を揺るがす物語の――はじまり。
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火、土、金、水、木。
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そう思って、二の皇子に力をつけてあげようと奮闘するのだけど。
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このままじゃ、わたし、ちゃんとした剣精になれない!
焦るのに。
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