魔剣鍛冶師の魔術道
魔術師は才能が八割である。生まれた時点で適性のある術式、魔力量の最大値が確定してしまう。いくら努力しようとも変わることのない二つの要素。どちらも平均以上でようやく魔術師として成り立つ。
魔術師の名門グローテル家に生まれたグレイスには、術式に対する適性が全くなかった。魔力はあっても術式が使えなくては魔術師とは呼べない。父親からは見放され、「お前には何も期待していない」と冷たい言葉を浴びせられる。
だが、グレイスは諦めなかった。魔術とはこの世で最も自由な力。自分も自由に魔術を使いたいと願った。
そんな彼には一つだけ、他にはない才能があった。その名は――『鍛冶スキル』。
「そうだ。魔剣なら……俺でも魔術が使えるんじゃないか?」
たった一つの細く険しい道を見つけたグレイス。
覚悟を決めた彼は、全てをかけて魔術師を目指し始める。
これは才能に恵まれなかった少年が、誰よりも自由な魔術師になるまでの物語。
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