雪原脳花
近未来。世界は新たな局面を迎えていた。生まれてくる子供に遺伝子操作を行うことが認められ始め、生まれながらにして親がオーダーするギフトを受け取った子供たちは、人類の新たなステージ、その扉を開くヒトとしてゲーターズ(GATERS=GiftedAndTalented-ers)と呼ばれた。ゲーターズの登場は世界を大きく変化させ、希望ある未来へ導く存在とされた。
希望の光を見出した世界の裏側で、存在情報もなく人間として扱われず組織の末端で働く黒犬と呼ばれ蔑まれていたジムは、ある日、情報部の大佐に猟犬として拾われ、そこで極秘裏に開発されたアズ(AZ)を用いる実験部隊となった。AZとは肉体を人間で構築し、その脳に共生AIであるサイ(SAI)を搭載した機械生物兵器、人工の子供たちだった。ジムは配備された双子のAZとともに、オーダーに従い表裏の世界を行き来する。
光の中の闇の王、食えない機械の大佐、変質的な猫、消えた子供、幽霊の尋ね人。
AIが管理する都市、緑溢れる都市に生まれ変わった東京、2.5次元バンド、雪原の氷花、彷徨う音楽、双子の声と秘密。
曖昧な世界の境界の淵から光の世界を裏から眺めるジムたちは何を見て何を聴き何を求めるのか。
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