龍眠る宿
遺伝子工学の進歩で、これまで伝説上の存在でしかなかったドラゴンが人工的に作り出されるようになった、ちょっと未来の世界。埋立地の片隅にある直径二百メートル、高さ二百メートルの円柱状の巨大な建物。それが僕の働く、ドラゴン専門のペットホテル『龍のお宿 みなかみ』だ。経営者は水上八大、僕の唯一の職場仲間であり上司である。頼りにはなるし悪人でもないのだが、厭味ったらしいのが玉に瑕。
お預かりするお客様は当然ドラゴンだ。ヨーロッパドラゴンにコカトリス、ワームと種類は様々。そしてその飼い主さんも偉い人だったり、怖い人だったり、腹に一物持ってたり、事情は色々。
本来ドラゴンを預かって世話をするだけが僕の仕事のはずなのだが、合間合間にいろんな出来事が起きる。役所の抜き打ち検査があったり、問い合わせやマスコミの取材の申し込みや里親探し、酷い時には呪われて殺されそうになるし、挙句の果てには夢と現の狭間をアフリカにまで飛んでモケーレ・ムベンベに出会ったりも。
そして何故だろう、うちの宿には神様までもが集まって来る。迦楼羅王だの青龍だの、ムカデだのオロチだの帝釈天だのヴリトラだの。とても僕の手には負えない。
ちょっと八大さん、笑ってないで手伝ってくださいよ。え、何ですか。
「衆生に代わって苦難を引き受けるのも神の仕事だ」
何とぼけた事言ってるんですか。また何か隠してますね、もう勘弁してくださいよ。僕は忙しいんですから!
お預かりするお客様は当然ドラゴンだ。ヨーロッパドラゴンにコカトリス、ワームと種類は様々。そしてその飼い主さんも偉い人だったり、怖い人だったり、腹に一物持ってたり、事情は色々。
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