えっと、幼馴染が私の婚約者と朝チュンしました。ドン引きなんですけど……

カメロン侯爵家で開かれた舞踏会。
楽しい夜が明けて、うららかな朝、幼馴染モイラの部屋を訪ねたら……

「えっ!?」
「え?」
「あ」

モイラのベッドに、私の婚約者レニー・ストックウィンが寝ていた。
ふたりとも裸で、衣服が散乱している酷い状態。

「どういう事なの!?」

楽しかった舞踏会も台無し。
しかも、モイラの部屋で泣き喚く私を、モイラとレニーが宥める始末。

「触らないで! 気持ち悪い!!」

その瞬間、私は幼馴染と婚約者を失ったのだと気づいた。
愛していたはずのふたりは、裏切り者だ。

私は部屋を飛び出した。
そして、少し頭を冷やそうと散歩に出て、美しい橋でたそがれていた時。

「待て待て待てぇッ!!」

人生を悲観し絶望のあまり人生の幕を引こうとしている……と勘違いされたらしい。
髪を振り乱し突進してくるのは、恋多き貴公子と噂の麗しいアスター伯爵だった。

「早まるな! オリヴィア・レンフィールド!!」
「!?」

私は、とりあえず猛ダッシュで逃げた。
だって、失恋したばかりの私には、刺激が強すぎる人だったから……

♡内気な傷心令嬢とフェロモン伯爵の優しいラブストーリー♡
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