婚約破棄された元聖女は氷の公爵に拾われ、辺境を花園に変えて幸福を掴む
王都で「癒ししか能がない」と蔑まれ、皇太子から公開の場で婚約破棄された元聖女リシェル。
追放同然で国境へ送られた彼女は、雪嵐の夜に倒れ、隣国ノルドヴェインの「氷の公爵」アレクセイに救われる。
冷酷無慈悲と恐れられる彼は、瀕死のリシェルが触れた枯野に芽吹きが走る光景を見て気づく。
彼女の真の力は治癒ではない。死んだ土を甦らせ、川を満たし、作物を実らせる「生命女神の権能」だった。
利害の一致から始まった契約結婚。
彼は彼女を守る盾を名乗り、彼女は彼の領地を再生する剣となる。
だが共に冬を越え、飢えた村にパンを焼き、傷ついた民の手を取り合ううち、
二人の間にあるはずの線引きは少しずつ融けていく。
やがて聖女を失った祖国は荒廃し、かつて彼女を切り捨てた皇太子は涙ながらに帰還を懇願するが――
リシェルの答えは、過去へ向かうものではない。
彼女が選ぶのは、自分を侮らない人々と築く新しい国、新しい愛、新しい誇り。
これは「捨てられた少女」が「選び取る女王」になる、逆転と溺愛の辺境再生譚。
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