日本舞踊 小説一覧
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件
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未練を残して現世に留まる霊魂――地縛霊。未練は時が経つにつれやがて、悪霊へと変化していく。
楽になりたくともなれない哀れな地縛霊たちを、時に厳しく時に諭しつつ冥界へとあげる。それが退魔師である久遠家の仕事。
政財界にも太いパイプを持ち、世俗とは繋がりを絶ち、ひっそりと生きつつこの世ならざる者たちを導く。
そんな久遠家の家督を嗣いだばかりの二十二歳の青年、馨(かおる)が奔走する。
【第壱帖・白藤の情念】
名古屋市の男性日本舞踊家が、三月上旬に福井県にある人工ダム湖畔で姿を消した。警察は事件と事故の両方で捜査を開始するも、行方が掴めないまま二か月が経過。男性の婚約者は古い付き合いのある退魔師である、久遠家に行方を捜してほしいと依頼。背後に地縛霊の影を感じた馨は失踪現場へと飛ぶ。そこには悲しい伝説にまつわる、悪霊の存在があった。
【第弐帖・デッサン】
退魔師・久遠馨の許婚である女子高校生の円城寺佳奈が、通っている高校の美術準備室で怪奇現象に巻き込まれた。
三十年前から校内で噂される、『夕方五時以降、美術準備室に近付いてはいけない。怪奇現象が起こるから』の真相を確かめようとして、スマホに不気味な少女が写りこんでしまった。解決するために、顔も見たこともない許婚と、美術部員だがクラス内で浮いた存在の上田舞の協力を得ながら真相を探る。
文字数 27,791
最終更新日 2026.02.10
登録日 2026.01.19
2
容姿に酷いコンプレックスを持つ加藤凛は、毒のある性格と無愛想さにより高校でも孤立している。
そんな生活を癒やしてくれたのは、好きな人で凛とは対照的な存在、雪花。
接点もないように見える二人だが、雪花は小学生から加藤家の日本舞踊教室に通っていた。 凛は雪花に近づくことすらできず、吐き出せない思いを日記としてノートに書き綴る日々。
だが、ある日そのノートを音楽室に忘れてしまう。急いで取りに行った凛が見つけたのは、「自分も同性に恋をしている」という書き加えられたメッセージ。
初めて同じ同性愛者に出会った凛は、彼と匿名で文通を始める。
それから、やり取りを重ねるうちに文通相手の優しさや繊細さに惹かれていくが……。
外見に惹かれた雪花と、内面に惹かれた文通相手――その二人が同一人物だと、凛はまだ知らない。
文字数 111,536
最終更新日 2025.09.05
登録日 2025.08.25
3
「はよう、摘み」襦袢のすそから差しだされた素脚には梅が咲きこぼれていた……
それは、病というには美しすぎた。
幼くして日本舞踊の華と称えられた娘・雛牡丹は病に倒れ、日舞の道を閉ざされる。
それは、才能があるものだけが罹患する《才咲き》という奇病であった。この病に侵されると、身体の一部に植物が根づき、花を咲かせる。それは桜や梅であったり、芭蕉であったりする。だが花が咲けば咲くほどに患者は衰えていき、やがては命を落とすのだ。
故に患者は、その花が咲かぬうちに莟を摘まねばならない。
雛牡丹の邸の下働きだった《僕》は、彼女の花を摘むことになる。
脚から梅のこぼれるその病を「美しい」といったことから、《僕》は雛牡丹に気にいられ、側務めに択ばれるが――――
これは驕慢に華であり続けた娘と、華に惚れた《僕》の物語である。
谷崎潤一郎さまの《春琴抄》のオマージュです。著作権保護期間が2016年に終了しているため、二次創作のタグはつけておりません。
素晴らしい小説に敬意を捧げて。
《春琴抄》をご存知ではない御方にもお楽しみいただけるように書かせていただきました。なにとぞ、広い御心にてお読みいただけますよう、よろしくお願いいたします。
* こちらはカクヨムさまにも投稿しています
文字数 8,848
最終更新日 2022.10.10
登録日 2022.10.10
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