没落貴族令嬢小説一覧

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恋愛 連載中 長編
「ソフィア、結婚を前提にお付き合いをさせて欲しい」 王国建国記念日に行われた舞踏会での出来事である。 ソフィアは、婚約者から舞踏会が終わるまでフロアの隅で待っているように言われていた。 没落貴族の令嬢であるソフィアの前で片膝をつく青年に、周囲の人たちは大慌てとなる。 青年の名は、レオン・ワイン・ウイング、この国の王子である。 「謹んで、お断り致します」 ソフィアは、丁重ちお断りをした。 本来なら、王子の申し出を断ることはできないであろう。 でも、王子のお付きたちは安堵の表情を見せている。 ソフィアと王子は、余りにも身分が不釣り合いなのだ。 この国の貴族には、『ゴールド』、『シルバー』、『ブロンズ』、『スチール』、そして『ノンストーン』の5段階の階級があり、ソフィアの家は最下位の『ノンストーン』である。 『ノンストーン』は、一応貴族とされていたが、実態は平民と同じ扱いであった。 事実、『ノンストーン』の中には、平民より貧しい暮らしをしている者もいるのだ。 「身分のことなら気にすることはない。私は『ノンストーン』の階級さえ与えられていない。貴族としての階級は、そなたの方が上位だ」 「いや、それはあなた様が王子様だから貴族としての階級がない訳で…………」 ソフィアは、王子のお付きたちに助けを求める目を向けた。 お付きたちは、皆困り果てた目でソフィアを見返してくる。 「あ、あの、皆様お困りですよ。もうお立ち下さい。それに、私には婚約者がおりますので」 王子のお付きたちの顔が、パアッと明るくなる。 「ああ、その件なら問題ない。そなたの婚約者は、そなたと結婚する気はないみたいだからな」 私は、どうしてよいか分からず黙ってしまった。 「急な話で戸惑っているのであろう。では、今日はダンスのパートナーを務めてくれるだけでよい。私の申し出に対する返事は、次の機会に聞かせてくれればよい」 いつまでも王子様に膝をつかせたままではいられない。 「ダンスでしたら、喜んでお相手させて頂きます。ですから、早くお立ち下さい」 立ち上がった王子は、ソフィアの手を取りフロアの真ん中へ彼女をエスコートした。 ソフィアと王子がフロアの中央まできた時、楽団は演奏を再開する。 「ではソフィア、私とダンスを踊ろう」 没落貴族の令嬢に起きた奇跡のシンデレラストーリーは、王子とのダンスで幕を開けるのであった。
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文字数 23,533 最終更新日 2023.09.17 登録日 2023.07.15
契約結婚で、初夜の履行は致しません! 属国との国境いへ、新たな辺境伯として帝都から派遣された騎士セルギウス。 弟三人を養うため、新たな領主の妻となることを決めた没落令嬢チェルシア。 何故か二人は寝台の上で睨み合っていた。 ◆◇◆◇◆ 周辺国を侵略しつくした帝国で、弱きを助け強きを挫く『帝都お見合い協会』の短編その一です。 まずは、安い魔石を磨く労働者を『愚直モグラ』と呼ぶ鉱山地方のお話から。
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文字数 13,128 最終更新日 2023.08.04 登録日 2023.08.04
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