恋愛 訳アリ 小説一覧
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1
灰谷の墓守 〜王都を追われた監査官、呪われた禁足地で「死者の村」を登記する〜
「死人に税は課せません。——ここから先は、私の台帳の内側です」
王都主計局の監察官レティシアは、数字と事実しか信じない冷徹な監査の実務屋。
貴族たちの軍需物資横領を告発しようとした結果、上層部に証拠を握りつぶされ、三十年前に死病で全滅したとされる禁足地「ノイラート郷」の廃村登記を命じられる。護衛もつけられぬ事実上の追放処分だった。
地図から白く塗り潰された「死の谷」に降り立ったレティシア。
しかし、そこにいたのは怨霊などではなく、不当に戸籍を奪われ、毒水と飢えに喘ぎながら息を潜めていた百余名の流刑囚や脱走兵たちだった。
「死人は息を吐きませんし、その外套を修繕する必要もありません。——私の前で、巨大な計算違いが起きています」
首元に抜き身の刃を突きつけてきた元近衛隊長の頭目キリアンに対し、レティシアが取り出したのは武器ではなく、白紙の台帳と鉄ペン。
彼女は奇跡の力に頼ることなく、水利の是正、床下暖房(オンドル)の敷設、未利用鉱物の精錬といった緻密な実務によって、死者とされた者たちの生活基盤を淡々と、しかし劇的に再構築していく。
やがて「死病の谷」は、誰も飢えず、誰も侵すことのできない堅牢な自治郷へと変貌を遂げる。
そして、かつて彼女を捨てた王都がその価値に気づき縋り付いてきた時、元近衛の獣は剣を抜き、冷徹な監察官は冷ややかに告げるのだった。
「お引き取りを。ここはすでに、独立領として登記完了しております」
2
自信家CEOは花嫁を略奪する
「あなたとは、一夜限りの関係です」
そのはずだったのに、
そう言ったはずなのに――
私には婚約者がいて、あなたと交際することはできない。
それにあなたは特定の女とはつきあわないのでしょ?
だったら、なぜ?
お願いだからもうかまわないで――
松坂和眞は特定の相手とは交際しないと宣言し、言い寄る女と一時を愉しむ男だ。
だが、経営者としての手腕は世間に広く知られている。
璃桜はそんな和眞に憧れて入社したが、親からもらった自由な時間は3年だった。
そしてその期間が来てしまった。
半年後、親が決めた相手と結婚する。
退職する前日、和眞を誘惑する決意をし、成功するが――
3
小公女ベルナデットの休日
ベルナデットはユブルームグレックス大公国の大公位継承順位一位、すなわち大公世女である。しかし語学、政治、マナー・所作などの勉強をどれだけ頑張っても周囲の期待レベルには届かない。その未熟さと見た目故についたあだ名は「小公女」。大公女ですらなかった。
勉強・レッスン漬けの毎日、努力をしても周囲が期待するレベルには届かない。ベルナデットはそんな日々に嫌気がさしていた。そんなベルナデットの唯一の息抜きが読書。冒険小説の主人公のように自由に旅をする姿を想像したり、ロマンス小説のような恋をしてみたいと想像を膨らませていた。
そんなある日、ベルナデットの婚約者が決まってしまう。次期女大公になるのだから自由恋愛など出来るわけがないと分かってはいた。
あまり自由のない窮屈な生活の中、ベルナデットは自分の自由はどこにあるのか、自分の人生は一体何なのだろうかと考えていたらついに我慢の限界が来てしまう。
ついにベルナデットは大公宮を抜け出してしまった。しかし、その先で何をしたらいいか分からないベルナデット。そんな時、テオと名乗る少年に出会う。ベルナデットは身分は明かさずに事情を話すとテオから自由に街を回ってみないかと提案される。実はテオも何やらワケありの様子だ。
こうしてワケありな二人は自由を満喫することにした。
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