ライト文芸 主従関係 小説一覧
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吸血鬼の少年・妖木正也は、自分の力を恐れ、誰とも関わらずに生きてきた。
そんな彼の前に現れたのは、国家直属の祓魔師にして、生徒会長――神野櫻。
「契約しよう。いつでも私の血を吸っていい」
差し出されたのは、命を担保とした“最悪の契約”。
祓魔師と吸血鬼。殺し合うはずだった二人は、自由を掲げる共犯者になった。
与えられた役割に抗い、定められた運命に牙を剥く。
だがその先で待ち受けていたのは、かつて世界中で暗躍した“王の眷属”――吸血鬼の原初たち。
二人が求めたのは、”自由”であり、誰にも奪わせない”美しさ”。
これは、呪われた血と孤独な意志が交わり、世界に抗うために共鳴し合った、共犯者たちの記録。
『二人の罪は、愛と呼ばれた。』
毎日21時更新。完結保証です。
文字数 49,353
最終更新日 2025.12.05
登録日 2025.11.12
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元殺し屋メイドと血飛沫大好き男爵の主従話。
月を隠していた雲が流れ、月明かりが照らしたのは、木の上で艶やかに揺れる黒髪と、丸い猫目。それに、銃口。
その瞳がひとつ瞬いたのを見て、地面を蹴ると、サイレンサーから鉛玉が硝煙をあげた。
銃弾を避け、間近に迫った私の動きが予想外だったのか、彼女はわずかに瞠目し、ナイフを掴んだ。
確実に急所である頚動脈目掛けて切先が降ってくるのを、細い手首を掴んで防ぎ、背中で捻ってやると、高い位置から地面へとナイフが突き刺さるのを視界の隅で確認する。
それでも身体を前傾させ、自ら木から落ち、彼女は私を振り解いた。
落ちた衝撃を前転で受け身を取り、落ちていたナイフを持ち直す手腕に、私は思わず片頬を上げてしまった。
この子、使える。
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全11話。
R5.8.29/護衛騎士ガイルの名前と、主人公のファミリーネームが被っていたので変更しました。
すみません。
文字数 37,121
最終更新日 2023.09.09
登録日 2023.07.22
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京条あやめは絵に描いたようなお嬢様で、帳青はいつも彼女のわがままに振り回されていた。生まれた時からの幼馴染みで、常にとなりにはいたものの青の手はいつもあやめに引かれる人生だった。
才色兼備をそのまま具現化したようなお嬢様は何一つとしてできないことはないのに、着替え、食事、入浴に至るまで青がいる限りは青にやらせている。幼馴染みである以上に主人である彼女に対して、青はもらうものを全て代価とし、自分の気持ちは圧し殺してきた。このまま彼女のとなりにいることが、なによりも現実的で確実だったからだ。
あやめにとって生まれた時からの自分の側にいて、どんなに無茶なことを言ってもついてくる青は自分の所有物として当たり前であると思ってはいるが、あやめの背負っていくものを考えるといつまでもこのままではいられない。
現実を突きつけられていくあやめに対して、青自身は下僕であるというスタンスを崩そうとせず、「今さら横には並べないよ」と言う。
文字数 13,640
最終更新日 2020.03.21
登録日 2020.03.21
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