悲喜劇 小説一覧

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乱暴な人形

乱暴な人形
『記憶力』 キラキラが目に痛いから、 逃れるように眠ろうとしたのですが、 まぶたがないのを忘れていました。 水面を見上げると、 醜い犬がのぞいていました。 ついでにさざ波がおさまり、 醜くなくなりました。 肺呼吸がうらやましいなと思い、 やわらかな毛もいいなと羨みました。 肌がうろこで硬い。 歯も舌もなくて味がしない。 セックスができない。 たくさん愚痴が思い浮かんだけど、 気づいたら皿にのり、 身体が刺身にされていました。 ぼくはまだ生きています。 楽しそうな誰かと誰かの声のなかで、 ぼくはしずかに目を閉じようとして、 まぶたがなかったのを思い出しました。
現代文学 連載中 ショートショート
感想数 1 文字数 31,300 最終更新日 2026.06.07 登録日 2021.04.13
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インマとぼく

インマとぼく
ぼくはついてない。 彼女にふられ、職場もクビになった。 貯金は底をつき、 そのうち家賃も払えなくなった。 マンションの管理会社に出ていくよう勧告され、 引っ越しの準備をした。 いよいよ宿無しか。 と、人生の終わりのような気分で部屋を出ると、 隣室に越して来た母子と鉢合わせた。 それがぼくの人生を変える出会いとも知らず、 二人に頼まれるままに引っ越しを手伝い、 『お礼に』と、夕食に招かれた。 娘は細身だが背が高く、180センチほどもある。 母親は小柄なので、 父親似なのかもしれない。 ぼくは、それを二人に訊いてみた。 後から考えると、 あれは、よけいな質問だったなと思う。 でもそのときは、酒が入ってたんだ。 娘はぼくに言った。 『パパは悪魔なの。下級だけど』と。
恋愛 連載中 短編 R18
感想数 0 文字数 93 最終更新日 2022.07.09 登録日 2020.10.24
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