「入社」の検索結果
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文字数 59,131
最終更新日 2024.05.03
登録日 2023.03.09
三十歳を過ぎた年代になり、結婚を意識するようになった芦沢丈晴は、会社の同期である時田耕作の複雑な恋愛関係に関わり、自分自身の恋愛も真剣に考えるようになる。
耕作と本間良子の社内恋愛は、複雑な様相を呈していた。
耕作との交友を通して知らされる内容は、恋愛経験の少ない丈晴を混乱させる。
本社営業本部長が率いる新組織のメンバーは、全国の優秀な主任クラスから選抜され、芦沢丈晴と時田耕作もそのメンバーに選ばれる。
新組織の営業本部窓口には、社内でも才媛と呼ばれ、華やかな恋愛経歴を持つ梅木友香が担当することに決まっていた。
丈晴の新組織加入メンバー発表と同時に、梅木友香から社内便ではなく、郵便で自筆の封書が届いた。
友香は、以前は総務部で管理者教育担当をしていた。
全社内の初級管理者から上位管理者まで、知らない者はいない。
高校、大学をアメリカで過ごした帰国子女の友香は、ピンヒールのハイヒールを履き、スーツ姿で颯爽と歩く。その姿に目を奪われる者は多い。そんな彼女からの手紙である。
入社以来、仕事一筋でやって来た丈晴は、友香からの手紙の意味を理解できずにいた。
丈晴は、行き付けのスタンドバー、ブーメランのオーナー兼マスターの竹中光雄に助言を求める。
竹中光雄は医師免許を持ち、嘗ては医薬品会社でMR(MR=medical representative=医療情報担当≒医薬品営業担当)として活躍し、のちに役員となった。
役員を早々に勇退して、第二の人生としてスタンドバー.ブーメランを開いた。
企業や会社に関することから、企業内組織や社内の人間関係、人事関係、社会人としての一般常識など、多くの分野に博識で、人生の機微を知り尽くした人物である。
丈晴は、仕事のことから恋愛事情まで、自分で迷っているときや、ヒントを得たい時などには、何時も竹中に聞いてもらっていた。
ブーメランには、マスターの友人の娘で、薬剤師の篠宮碧がアルバイトで店に来ていた。
碧は丈晴に恋心を抱いているが、丈晴には伝わらない。
丈晴に見合い話が来ていた。丈晴が「釣り書き」を見る前に、相手には好きなひとがあると分かり、話はなかったことになったと母から聞かされる。
後日、その相手が篠宮碧だったと知った丈晴は、複雑な思いで居た。
丈晴の恋愛観には、初対面の時、一瞬で感じ取る第一印象の良し悪しと、違和感の有る無しで、その後の関係の良否が決まると云う自論があった。
初恋の相手に感じた想いこそが、自分の理想の女性を意味していると……。
友香と碧、丈晴には、ふたりとも、第一印象好ましいものだったが……。
恋人選びに迷う丈晴に決心を促したのは、竹中のアドバイスと、中学生の頃、初めて心をときめかせた女性の存在だった……。全19話(全てフィクションです。)
文字数 80,834
最終更新日 2024.03.01
登録日 2024.03.01
精密計器販売部門に在籍する鴻池俊輔は、社員から慕われる営業一課の課長である。
若い課員達は、俊輔の管理姿勢を歓迎し、それに応えるように販売予算の長期間達成を実現している、チームワークの良い課として知られていた。
総務課に所属していた湯元美由紀と福井信二は結婚を前提に付き合っていた。
同じ総務課の独身最年長女子社員、糸井良子が社内のブーイングを受けながらも福井信二に手を出し篭絡して結婚した。
元々、良子は多くの社員から嫌われる存在だった。結婚して退社したことを陰で喜ぶ社員は多かった。
福井夫婦には、結婚当初から夫婦仲が悪いと云う噂が流れていた。
上司は、信二の夫婦仲と職場での居心地を考慮して、東京支店転勤を命じた。
良子は信二の転勤には同伴せず、上司の配慮は良子からの離婚手続きを早めただけだった。
信二の離婚が成立し、暫く経った或る日、俊輔は美由紀から相談を受ける。
美由紀の父親と俊輔の妻律子の父親は、共に検事上がりの弁護士で、親しい付き合いがあった。律子と一緒になった俊輔も、律子と一緒に何度か湯元家を訪ね、懇意にしていた。
公私混同は一切しない俊輔は、美由紀と知り合いであることを社内では話していなかった。
美由紀から相談を受けた同じ頃、珍しく糸井良子が会社に顔を出した。再婚を嘗ての同僚に伝え、結婚式に出席を頼むためだった。
再婚相手は営業二課が担当する大北精工の専務で、社長の息子だった。
社内で来訪を歓迎する社員はいなかったが、ただ一人、同期入社だった営業二課庶務係の高原優子が話を聞いてやった。
暫くして、大北精工の経営不振に伴う計画倒産が分かり、営業二課の手形不渡が心配される事態が起きる。大北精工の社長と専務は早々に姿をくらましていた。
俊輔の部下たちは、会社が被る損害を憂慮し、営業二課の担当にも関わらず、迅速に情報収集に奔走した。
冷たい雨が、激しく叩きつけるように降る日だった、各地で局地的豪雨による交通事故が多発していた。
人家の少ない山間を走る未舗装の山道で、ガードレールを突き破る、自動車の転落事故が報じられた。
転落事故の運転手は、行方をくらましていた大北精工の専務で、同乗していたのは糸井良子だと報じられた。二人は重篤な状態でICUに収容される大事故だった。
多くの社員が、良子の人騒がせな所業を忌避していた。良子を諫めたい思いはありながら、手を下せずにイラつくひと達に、叩きつけるような激しい氷雨が手を貸した……。
美由紀と良子の行く先には、周りの多くが納得する、真逆の結末が待っていた……。
(固有名詞等すべてフィクションです)
文字数 44,131
最終更新日 2024.03.16
登録日 2024.03.16
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