魔王と! 私と! ※!
魔王と! 私と! ※!
そこはまた一つの時の流れの中——。
一つの時代——。
一つの歴史——。
まだ人間が、魚と話し、草花と歌い、虫の背に乗り、鳥と恋をし、エルフの森に通い、ドラゴンと友達であった頃のこと——。
世界にあまねく勇名を馳せる一人の女剣士がいた。
百年に渡る永き魔族と人との争いに終止符を打ち、大いなる闇の王と決着をつけた彼女の一太刀は天地を断ち、大気を鳴かせ、大陸に嵐を呼び起こしたという——。
それから数年後。
その世界最強の女剣士こと、その名——
『インベル・"レディ・ヴラッドヴェール"・ド・マリアンヌ』
職業:賞金稼ぎ。
二十六歳——未婚。
世界は救えども、我が人生に待ち人来らず——。
闇の王を制し、世界を救ったインベルは故郷を離れて根無草。行く先々で悪さをする魔物をこらしめ、立ち寄った村の平和を守り、その日その日を気ままに過ごす毎日を過ごしていた。
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