獅子王と羅針盤の乙女 〜異世界で“偽物”といわれた少女は、極悪非道の海賊に見いだされる〜
「選べ。俺と来るか、このまま王国に飼い殺しにされるか」
高校二年生の桜田亜子は、従姉の桃香とともに、見知らぬ異世界へ召喚されてしまった。
そこは魔法が存在するスティーリア王国にある、離島。二人を呼び寄せたのは、スティーリア王国第一王子と名乗るカルロス・マリーヌスであり伝説の財宝「イヴの財宝」を探すためだった。
王子は、二人を「イヴの財宝を導く使徒」と呼ぶ。
しかし、魔力を測定された結果、桃香だけが選ばれた特別な存在、財宝へ導く「使徒」だと判明する。亜子には何の力もないと判断され、「偽物」として扱われることに。
王国本土へ向かうまでの間、桃香は使徒としての役目を果たすために、毎日忙しい。孤立した亜子が古城の浜辺で出会ったのは、片目に傷を持つ男シャイルズ。彼は冷たい態度とは裏腹に、傷ついた生き物を救う優しさを持つ男だった。
そんなある日、優しいと思っていた王子たちが、恐ろしい企みを持っていることを知る。使徒として役に立たなければ、自分たちは用済みとして命を奪われてしまう。逃げようと必死に訴えるが、使命感に燃えている桃香は信じてくれない。挙げ句の果てには、使徒の役目を奪おうとしていると疑われ、亜子は幽閉されてしまう。
本土へ向かう日がやってきて、豪華なガレオン船に乗って移動することになった。桃香は王子たちと特別室を与えられ、幽閉されている亜子は質素な部屋に閉じ込められていた時だった。
使徒を狙った「シムノン一家」と名乗る悪名高き海賊が、ガレオン船を襲う。燃え盛る炎の中、ただ一人取り残された亜子を、カルロスや桃香さえも見捨てて逃げ去ってしまう。絶望の淵に突き落とされた彼女を救い出したのは、浜辺で出会ったシャイルズであった。
しかし、シャイルズの正体は、船を襲撃した「獅子王」と恐れられるシムノン一家の船長で――。
※本作には、海での危険な描写や爆発を伴う表現など、一部緊迫した場面が含まれます。苦手な方はご注意ください。
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