オリュンポスの秘宝をチェックメイトしようとしたら、古代ギリシャの魔物がやってきた
第19回ファンタジー小説大賞 参加中!
投票する
現在の順位:1,593位 / 2,956件
全十層、いまだ誰も最下層に到達していないダンジョンRPG『オリュンポス』。
九条悠真は幼なじみの部屋で第九層の青銅の牛を倒し、名前も説明文もない
白い駒を拾う。直後、画面の中に大人の女が現れた。幼なじみによく似た顔で、
こう言った。──たすけて。おねがい、むかえにきて。
最下層へ向かった悠真はあっけなく殺される。流れたゲームオーバーのムービーは、
彗星が神殿都市を灰にする光景だった。そんな映像は、攻略サイトのどこにもない。
そこへ対局を終えた星名アリア(女流二段)が帰宅する。
画面を見た彼女は、青ざめて言った。「わたし、ここ、知ってる」
外が騒がしくなり、時間の止まった街に、さっき悠真を殺した魔物が降りてきた。
気づけば二人は、白い柱の並ぶ神殿に倒れていた。ゲームで見たあの街だ。
空には、あの白い筋が走っている。
神殿の布に映るのは、縛られた女神のシルエット。
傍らの迷宮の入口には、読めない文字の羊の皮と、金の冠が置かれていた。
冠をかぶったアリアは目を閉じ、女神の声で告げる。
秘宝は十の欠片に砕かれ、迷宮十層の番人の腹にある。
殺すな、詰ませよ。詰ませた者は、味方になる。
駒を持てるのは日の側から来た者。駒を振るえるのは、我が血を継ぐ娘。
街が灰になるまで、三十七日。
持てるのは俺だけで、振るえるのはこいつだけ。
将棋を三日で辞めた男と、盤の前でだけ別人になる美少女棋士。
二人でひとつの駒を回しながら、迷宮を降りていく。
――そして最後の一局は、逃げ場のない現代の国立競技場で指される。
九条悠真は幼なじみの部屋で第九層の青銅の牛を倒し、名前も説明文もない
白い駒を拾う。直後、画面の中に大人の女が現れた。幼なじみによく似た顔で、
こう言った。──たすけて。おねがい、むかえにきて。
最下層へ向かった悠真はあっけなく殺される。流れたゲームオーバーのムービーは、
彗星が神殿都市を灰にする光景だった。そんな映像は、攻略サイトのどこにもない。
そこへ対局を終えた星名アリア(女流二段)が帰宅する。
画面を見た彼女は、青ざめて言った。「わたし、ここ、知ってる」
外が騒がしくなり、時間の止まった街に、さっき悠真を殺した魔物が降りてきた。
気づけば二人は、白い柱の並ぶ神殿に倒れていた。ゲームで見たあの街だ。
空には、あの白い筋が走っている。
神殿の布に映るのは、縛られた女神のシルエット。
傍らの迷宮の入口には、読めない文字の羊の皮と、金の冠が置かれていた。
冠をかぶったアリアは目を閉じ、女神の声で告げる。
秘宝は十の欠片に砕かれ、迷宮十層の番人の腹にある。
殺すな、詰ませよ。詰ませた者は、味方になる。
駒を持てるのは日の側から来た者。駒を振るえるのは、我が血を継ぐ娘。
街が灰になるまで、三十七日。
持てるのは俺だけで、振るえるのはこいつだけ。
将棋を三日で辞めた男と、盤の前でだけ別人になる美少女棋士。
二人でひとつの駒を回しながら、迷宮を降りていく。
――そして最後の一局は、逃げ場のない現代の国立競技場で指される。
あなたにおすすめの小説
初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました
夫婦となって初めて迎えた夜、セレンティアは夫リオールから「俺には、愛する人がいる」と告げられる。
彼が初夜を済ませた理由は、三年後に白い結婚として婚姻無効を申し立てられないようにするためだった。
けれどリオールは知らなかった。セレンティアの祝福《一日回帰》が、自分自身の身体にも使えることを。
セレンティアは自分の身体の時間を一日前へ戻し、三年間、侯爵家の妻として務めを果たすことを決める。
夫に愛されるためではない。三年後、白い結婚としてこの家を出ていくために。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
幼馴染しか見えない婚約者と白い結婚したので、夜明け前にさよならしました
公爵令嬢レティシアは、家同士の都合で伯爵アルフレッドに嫁ぐ。
けれど夫は結婚後もずっと幼馴染のシルヴィばかりを優先し、婚礼の夜から夫婦として触れ合おうともしなかった。名ばかりの妻として伯爵家を支え、領地経営まで立て直しても、彼にとってレティシアは“都合のいい伯爵夫人”でしかない。
やがて結婚一周年の夜、アルフレッドが自分を手放す気はない一方で、幼馴染を屋敷に迎え入れようとしている会話を聞いてしまったレティシアは、ついに決意する。
――もう、この結婚には見切りをつけよう。
夜明け前、彼女は離縁の準備を整え、伯爵邸を出奔。
身を寄せた北の港町で薬舗を手伝いながら、自分の力で生きる穏やかな日々を手に入れていく。そこで出会ったのは、身分ではなく一人の女性として彼女を尊重してくれる青年医師ノアだった。
一方、都合よく尽くしてくれる妻を失ったアルフレッドは、ようやく自分が何を失ったのかを思い知ることになる。
幼馴染ばかりを優先する婚約者との白い結婚に終止符を打ち、傷ついた公爵令嬢が新天地で本当の幸せを掴む、離縁から始まる逆転ラブストーリー。
【完結】「見るだけで不快だ」と言われましたので、田舎町で暮らすことにしました
「君は顔も心も醜い。見るだけで不快だ」
初夜の晩、寝室でアメリシアは夫からそんな言葉を吐かれただけでなく、これから三人で眠ると宣言された。もう一人はアメリシアの親友、クージアだった。
アメリシアが夫のモレイブと婚約したのは七年前。親友と出会ったのは十年前。
十年の友情は、結婚式を挙げた当日に失われた。
そして、次の日に聞かされたのは両親の訃報。
アメリシアは、どんなに辛くても両親の分も生きて幸せになると決め、そんなに自分のことを見たくないのなら、モレイブと離婚し、彼と絶対に会うことのない田舎町で暮らしていくことにした。
離婚届を置いて去ったアメリシアは、田舎町で苦労しながらも、幸せを見つけていくのだが、モレイブはあんなことを言っておきながらも、アメリシアと離婚する気はなく――。
真の皇帝は俺です ~面倒だから幼なじみに帝位を任せていたら、婚約者に捨てられました。正体を明かしたら全員後悔してももう遅い~
皇帝の仕事が面倒だったレインは、信頼する幼なじみアレクシスに表向きの皇帝を任せ、自身は陰から帝国を支えていた。
だがある日、婚約者エミリアは「権力も将来性もない」と彼を見限り婚約破棄を宣言する。
しかし彼女は知らなかった。
帝国を動かしていた真の支配者が誰なのかを。
これは全てを持ちながら隠していた男と、見るべきものを見失った者たちの後悔の物語。
凱旋した英雄は聖女を選びました。~冬の補給路を守っていた私は静かに軍を去ります~
「君は後方にいただけだ」――
凱旋した英雄の婚約者からそう切り捨てられた私は、
静かに軍を辞職しました。
――冬の補給路管理。
――兵糧配分。
――医薬品輸送。
――損耗率管理。
全部、私の仕事だったのですが。
三週間後、
王国軍は補給崩壊。
「なぜ食糧が届かない!」
「なぜ兵が飢える!」
……逆にお聞きしますが、
今まで“なぜか全部上手く回っていた”理由を、
一度でも考えたことはありましたか?
これは、
誰にも評価されなかった兵站官(へいたんかん)が、
隣国の辺境伯にだけ価値を見抜かれ、
人生を取り戻す物語。
今更「戻ってきてくれ」と泣きつかれても、
私は隣国の最高機密ですので――!
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します
「君を愛することは、決してない」
結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。
私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。
そうして毎回同じように言われてきた。
逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。
だから今回は。