NTRするなら、お姉ちゃんより私の方がいいですよ、先輩?

 授業のサボリ癖がついてしまった風見抱介は高校二年生。
 新学期早々、一年から通っている図書室でさぼっていたら可愛い一年生が話しかけてきた。

「NTRるゲームしません?」
「はあ?」
「うち、知ってるんですよ。先輩がお姉ちゃんをNTRされ……」
「わわわわっーお前、何言ってんだよ!」

 言い出した相手は、槍塚牧那。
 抱介の元カノ、槍塚季美の妹だった。

「お姉ちゃんをNTRし返しません?」

 などと、牧那はとんでもないことを言い出した。

「やらなきゃ、過去をバラすってか? なんて奴だよ……!」
「大丈夫です、私が姉ちゃんの彼氏を誘惑するので」
「え? 意味わかんねー」
「そのうち分かりますよ。じゃあ、参加決定で!」

 脅されて引き受けたら、それはNTRをどちらかが先にヤリ遂げるか、ということで。

 季美を今の彼氏から抱介がNTRし返す。
 季美の今の彼氏を‥‥‥妹がNTRする。
 そんな提案だった。

 てっきり姉の彼氏が好きなのかと思ったら、そうじゃなかった。
 牧那は重度のシスコンで、それに輪をかけて、中古品が大好きな少女だったのだ。
 牧那の姉、槍塚季美は昨年の夏に中古品へと型落ちしてしまっていた。

「好きなんですよ、中古。誰かのお古を奪うの。でもうちは新品ですけどね?」

 姉を中古品と言いながら自分のモノにしたいと願う牧那は、まだ季美のことを忘れられない抱介を背徳の淵へと引きずり込んでいく。

「新品の妹も、欲しくないですか、セ・ン・パ・イ?」

 勝利者には妹の愛も付いてくるよ、と牧那はそっとささやいた。 

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