暗き冥界の底で貴方の帰りを待つ
太陽神アギスと豊穣の女神メネシアの間に生まれた若き神ゼネス。
彼はある冬の日、友である伝達の神より、夜の泉に咲くと言う睡蓮の話を聞いた。
好奇心に駆られたゼネスは、霊峰の谷にあるその泉へと赴いた。
雪原の中で唯一氷らない泉。満月の夜空の下、睡蓮は美しく開花した。
その美しさに感動したゼネスは母の土産に一輪取ろうと、中へと足を踏み入れる。しかし、茎に手が触れた瞬間、彼は何かに足を取られてしまう。水面へ何とか上がろうとするも泉の中へと引きずり込まれ、やがて意識は闇に呑まれて行った。
意識を取り戻したゼネスは、奇妙な水路に流されていた。探索をするうちに、生命の行きつく最後の地〈冥界〉へと落ちたのだと気づき、急ぐ。
ゼネスは冥界の王であるシャルシュリアの元へと急ぎ、なぜここへ来てしまったのか事情を説明し、地上へ戻る為の協力を願おうとした。しかし、父から貰った剣を無くしている事にゼネスは気づく。
冥界のどこかに落としてしまったのか。それともゼネスを冥界に落とした何者かの仕業か。
悪戯にしては悪質であり、何か問題が発生していると判断したシャルシュリアは、ゼネスに剣の捜索を兼ねた冥界の掃除係に任命をする。
冬となり何かが潜む地上に安易に帰れなくなったゼネスは、真面目に掃除と探索を取り組み、冥界に属する神や英雄と出会っていく。
次第に、真面目に取り組むゼネスに対し、シャルシュリアは気に掛け始める。ゼネスもまた彼を気に掛け始める。
しかしシャルシュリアは、冥界をより盤石にするために自ら生贄になる儀式を執り行おうとした。首を切り落とそうとする彼に対し、居合わせたゼネスは咄嗟に止めに入る。
箱庭で育てられた若き神と自分の世界を守るために贄になり続けた古き神。
他愛ない会話から始まる2人の静かな恋の物語。
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