平衡ゴーストジュブナイル――この手紙を君が読むとき、私はこの世界にいないけれど
生きていたいと願うべきだと分かっている。
でも心からそう思える瞬間が、生きているうちに、何度あるだろう。
五月女奏は、不登校の高校生。
彼はある日、幽体離脱のように、自分の「幽霊」を体の外に出せるようになった。
ただし、幽霊がいけるのは自分のいる世界ではなく、それとよく似た並行世界。
そして並行世界では、彼の幽霊は、けが人や病人に触れることで、そのけがや病気を吸い取ることができた。
自分の世界ではなくても、人を癒すことには意味があると信じて「治療」を続ける奏だったが、ある雨の日、彼は自分の世界で、誰かの「幽霊」らしきものを見る。
その「幽霊」の本体は、奏の幽霊がいける並行世界に暮らす、ある女子高生だった。
名前は、水葉由良。
彼らは幽霊を「ゴースト」と呼ぶことにして、お互いの世界の病院で人々を治し続ける。
いくつかの共通点と、いくつかの違いを感じながら。
次第に交流を深めていく奏と由良だったが、それによって奏は、由良の身に何が起きていたのかを知る。
二つの世界に住む二人の交流と決断を描いた、現代ファンタジーです。
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