或る伯爵夫人が一人思い悩んだ末の事の顛末

誰もいない一人寝の寝台に横になりながら、サフィリアは、ほうと深く息を吐いた。一人切りになってようやく誰の目も気にせず溜め息がつける。
誰もいない宵闇の世界だけが、サフィリアにありのままの姿でいることを許してくれる。

サフィリアの夫、ルクスは出来た人だ。だから決して口には出さないが、心の中ではサフィリアよりも余程深い溜め息を吐いている筈だ。
夫はサフィリアに愛情を抱いている訳ではない。
彼は、仕方なくサフィリアを娶ったのだから。



❇こちらの作品は、他サイトに別名義にて短編掲載した作品を加筆・改編の上、長編として連載するものです。
他サイトではサクッと短編完結済み。

❇鬼の誤字脱字を修復すべく公開後に激しい修正が入ります。お目汚し申し訳ございません。
「間を置いて二度美味しい」と何卒ご笑覧下さいませ。

❇登場人物のお名前が他作品とダダ被りしております。皆様別人でございます。

❇100%妄想の産物です。妄想なので史実とは異なっております。

❇妄想遠泳の果てに波打ち際に打ち上げられた妄想スイマーによる寝物語です。
疲れたお心とお身体を妄想で癒やして頂けますと泳ぎ甲斐があります。

❇座右の銘は「知らないことは書けない」「嘘をつくなら最後まで」

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