ボロ雑巾な伯爵夫人、旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます。

 ――貧乏だから不幸せ❓ いいえ、求めているのは寄り添ってくれる『誰か』。
 ◆
 第二夫人に最愛の旦那様も息子も奪われ、挙句の果てに家から追い出された伯爵夫人・フィーリア。
 両親も既に事故で亡くなっており帰る場所もない彼女は、なけなしの餞別だけを持って大雨の中を歩き続けていた。
 しかし目的地も希望も生きる理由さえ見失いかけた時、とある男の子たちに出会う。

 言葉汚く直情的で、だけど決してフィーリアを無視したりはしない、ディーダ。
 喋り方こそ柔らかいが、その実どこか冷めた毒舌家である、ノイン。
 
 10歳前後に見える彼らにとっては、親がいない事も、日々食べるものに困る事も、雨に降られる事だって、すべて日常なのだという。
 そんな彼らの瞳に宿る強い生命力に感化された彼女は、気が付いたら声をかけていた。

「ねぇ君たち、お腹空いてない?」

 まるで野良犬のような彼らと、貴族の素性を隠したフィーリアの三人共同生活。
 平民の勝手が分からない彼女は、二人や親切な街の人達に助けられながら、自分の生き方やあり方を見つけて『自分』を取り戻していく。
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