SF 異能バトル 小説一覧
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件
1
――その空は、もう誰のものでもない。
かつて世界はひとつだった。
いまは、確定しない“現在”を演算し続けている。
⸻
世界はとうの昔に終わった。
けれど、それを知る者はいない。
ディープ・グラウンド――
星核災害によって崩壊した“現実”の記録を保存するために作られた、
量子仮想現実ネットワーク。
そこでは死者の魂も、生者の記憶も、同じ演算装置の中で再生される。
この世界の人々は、生きているわけでも、死んでいるわけでもない。
彼らは、過去の情報と未来の不確定性を繋ぐ“揺らぐ存在”――
確率の幅として、演算され続ける魂だ。
都市ノウアスフィア。
曇り空の下、ネオンとスモッグの街を覆うのは、
かつて「空」と呼ばれた記録の映像。
人々はその幻影を本物と思い込み、今日も“現在”を演じている。
だが、その演算に狂いが生じはじめた。
演算の隙間から漏れ出す“ノイズ群(NØISE)”――
記憶の欠損、感情の断片、壊れた確率。
彼らは都市に侵入し、存在そのものを食い破っていく。
虚数管理局《I.B.N.》の特務官、リラ=ヴァスティンは、
ノイズを討伐するために創られたエリート捜査官。
彼女の眼は観測装置であり、
彼女の剣は確率を崩壊させる。
だが、彼女は知らない。
――自分自身もまた、この世界を動かす演算素体の一部であることを。
――そして、彼女が見上げるその空が、誰かが作り直した“レプリカ”にすぎないことを。
現実と仮想、生と死、観測と被観測。
世界がどちらの側にも立てなくなった時、
人は「確定しない今」を生きるしかなくなる。
サイコロは、まだ転がり続けている。
空は、ただ記録を映し出す。
――それでも彼女は、空を見上げる。
「私が見るこの空は、本当に“私の今”なの?」
文字数 9,963
最終更新日 2025.10.11
登録日 2025.10.08
2
時は西暦2306年。
世界を滅ぼしたのは、宇宙から飛来した隕石「Doom」と、そこから拡散した未知のウイルスだった。
人類は地下深くに築かれた都市《エデン》へと逃げ込み、地上は魔物に蹂躙された。
そして今——
「君は死んでいたんだよ、そして43年ぶりに生き返った。“ANKHER”、生存確率0.02%の適合者としてね」
長い眠りから目を覚ました青年・東雲 零。
彼は、国家により“魔物討伐”のために蘇生された実験体、「アンカー」の一人だった。
閉ざされた地下都市で、歪んだ秩序と格差社会、そして人間の欲望が生んだ絶望に直面する零。
失われた記憶。刻まれた番号。抗えぬ命令。
それでも、彼は問い続ける。
——自由とは、何か。自分とは何か?
SF × 終末ディストピア × 群像劇、ここに開幕。
文字数 3,440
最終更新日 2025.05.02
登録日 2025.05.02
3
古から続く神宮司一族の男子次男として生まれた少年晴海。普通の子として育てられた彼が15才の頃、直系一族に稀に発現する能力を開花した事から学生から退魔士として妖怪との闘いに赴く事になる
文字数 429,031
最終更新日 2025.01.01
登録日 2024.07.09
4
男が受けた依頼は、超能力の実験体となっている二人の子供を救出し、指定時間までに港に送り届けること。
しかし実戦投入段階の五人の超能力者が子供を奪還しようと追跡する。
最強のヒットマンVS五人の超能力者。
終わらない戦いの夜が始まる……
文字数 121,121
最終更新日 2022.04.03
登録日 2022.03.09
5
「このゲームを最初にクリアしたプレイヤーに、多額の賞金とゲームの著作権を進呈します」
いつの頃からか市場に出回るようになったVRゲーム『ラインカネーション・フェスティバル』の宣伝文には、このような一文があった。プロモーション動画でも目にすることができるその一文に日本中のゲームファンは湧き上がり、格安で購入できることもあって瞬く間にこのゲームは日本中で多くのユーザーにプレイされることになった。
本作の主人公もその数多きユーザーの一人。同じゲーマーである交際中の恋人を誘い、主人公は『ラインカネーション・フェスティバル』の世界へとダイブする。
まだ誰もクリアしたことがないこのゲームをクリアして、巨万の富と名誉を手にするために──
文字数 6,411
最終更新日 2021.06.27
登録日 2021.06.15
6
日常の崩壊、平穏の破滅。少年少女は【零ノ朔日】の果てに未来を求める。
東京都と神奈川県の県境に位置する、最先端技術と古き時代の遺物が共存する街、神明区。
そんな街の学園に通いながら暮らす平凡な高校生、天明弥 晃日とその双子の妹、天明弥 宵月は、都市内で発生した連続怪奇殺人事件の謎を追う事となる。
しかしそんな彼らとその代わり映えの無い日々は、平穏な日常の影に潜む「滅亡」と「進化」の運命、混沌へと巻き込まれ、崩れ始める。
日と月と星の下、徒花揺れるこの【始天】の地にて、人類の運命は【心化】する。
――これは全ての始まりの、【零ノ朔日】の物語。
文字数 25,862
最終更新日 2018.03.24
登録日 2017.12.10
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