一人称小説一覧
明るい言葉だけで表現できるほど僕の物語はおもしろくない。———そんな妄言を吐いてしまう僕、レイ君なりペットなり東京太郎なり罪人なり何でも良いがこの僕はある日、ある時間、ある町の、ある地下道で、ある完璧で美しすぎる世界へと転移してしまった。
もはや今時ではあるあるになってしまったありふれた話ではあるけれど、それでも僕はそんな偶然の有り難みをありえないほどに噛み締めたい。
というのもあの世界にいた有象無象の人々———例えば、赤黒の妹ご主人、紅色の後悔塗れお姉様、蒼白の多重人格過呪不死人間、橙なる虚言癖少年、鉛色の牢獄青年、黒色の他殺志願者、灰色の人間性の欠けすぎた最強爺、理解しすぎた不幸な友人、etcetc……彼ら、彼女らは僕に向かって何を渡して、何を奪ったか。僕の罪と罰にどう審判を下したか。僕は償うべきか、死ぬべきか。僕は誰で、何で、どうなのか。それの答は僕にとっては欠けがえない。換えが効かない、賭けようもない、僕を構成する一欠片なのだから。
けれどそれはやっぱりどうして、他人の目からはバカバカしく映るたわ言でしか無い。ハッキリ言えばどうでもいい。ならば僕のあの世界の話は、取るに足らない阿呆の童話だったのか?否、それを判断するのはちょっと待ってほしい。だからこそ語らせてもらいたい。こんな人でなしで逃げ腰のペットの物語をどうか我慢強く聞いてほしい。誰のためでもないのだから、誰かのためにはならないのだから、あの腐った綺麗な汚い正解の世界の話を、聞いてほしい——————————
文字数 35,037
最終更新日 2023.08.15
登録日 2023.08.14
文字数 2,384
最終更新日 2022.01.08
登録日 2022.01.08
R15?ぐらい?
主人公の一人称による散文みたいな感じです
俺と彼みたいな感じで名前とかは出てきません
フジョッシーにも掲載しています
文字数 1,426
最終更新日 2021.04.26
登録日 2021.04.26
普通とは違った環境で育った元盗賊の少年、ヴェル。
今は村長宅の家で自称召使として暮らしていた。
同じ歳の少女フローレンスお嬢様、さらには、その両親からも家族のような扱いを受けていた。それでもヴェルは一線を引いている。
その村で十年に一度、祭具をだして開催するという村の祭。
その前夜。
彼の運命は二度目の転機に訪れた。
祭具である黒篭手、それは王国を守る聖騎士団がつけている、身体能力を爆発的に上げる白銀の篭手と似ていた。
一夜にして村が滅び、唯一生き残ったヴェル。
偶然居合わせた聖騎士マリエルに助けられ、女性ばかりの聖騎士部隊とともに重要参考人として王都へと行く事に。
マリエルに、かつての思い人を重ねつつ共に行動をする。
散っていく命をみながら、ヴェルに三度目の転機が訪れようとしていた。
『ネット小説大賞7』 一次突破した作品を修復。
文字数 318,494
最終更新日 2020.02.27
登録日 2019.06.11