(恋しい…恋しい、晴明さま…っ。)
それは、満月の夜。 琥珀には、幼い頃から必ず、その名を呼ぶ声が聞こえる。 それはあの日。晴明に命を救れたその日から。それからずっと琥珀は、晴明だけをみてきた。
琥珀の想いはつのるばかり。
晴明も、それはとても琥珀を可愛がってくれるが、晴明のそれは愛情なのか。
琥珀はもう、この想いが溢れだしそうで─。
(晴明さま…。…恋しい…っ…。ぼくはっ)
一方、晴明も琥珀への愛しさを今にも堪えきれなくなりそうだった─。
文字数 28,813
最終更新日 2024.07.21
登録日 2024.07.09