家族ドラマ 小説一覧
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3件
1
義理の娘がバスルームから私に懇願した。「お義父さん、入ってきて。もう我慢できないんでしょ?」
深夜二時、尿意で目が覚めた俺は、廊下の奥にある浴室へ向かった。
ところが浴室の前まで来た瞬間、足が止まった。湯気のこもった浴室の中、浴槽に身を沈めている美羽の姿が、浴室カーテン越しにぼんやり浮かんでいた。
すぐに引き返すべきだった。
なのに、足が床に張りついたように動かなかった。ようやく我に返り、自分の部屋へ逃げ戻ろうとしたとき、スマホが震えた。
画面には、美羽からのメッセージが表示されていた。
「お義父さん、入ってきてください。もう我慢できないんでしょう?」
スマホを握る手のひらに、汗がにじんだ。
五十年以上生きてきて、俺はずっと自分をまともな人間だと思っていた。妻を亡くしてからは、女遊びひとつせず、息子だけを育ててきた。だが俺を深いところへ引きずり込んだのは、見知らぬ女ではなかった。
息子の嫁だった。
2
夫も家も妹に譲りました。なので私は、夜だけ開くおむすび屋を始めます 〜捨てられた元専業主婦の小さな店に、なぜか傷だらけの人ばかり集まってく
夫に離婚を告げられた。
相手は、実の妹だった。
三十五歳の佐倉美琴は、十年間、夫のため、義母のため、家のために尽くしてきた元専業主婦。
けれど夫は妹の莉央を選び、母までもが言った。
「お姉ちゃんなんだから、譲ってあげなさい」
夫も、家も、居場所も奪われた美琴に残されたのは、通帳一冊と、亡き祖母が使っていた古い炊飯器だけ。
行き場を失った彼女は、商店街の端にある空き店舗で、夜だけ開く小さなおむすび屋を始める。
塩むすび、鮭むすび、梅むすび、温かい味噌汁。
特別な料理ではない。
それなのに、彼女の店にはなぜか、人生に傷を抱えた人ばかりが集まってくる。
離婚届を出せずにいる看護師。
家に帰れない高校生。
孤独な老人。
夢に破れた会社員。
そして、いつも閉店間際に現れる冷徹な弁護士・黒瀬怜司。
黒瀬は、美琴が夫側に都合よく追い出されたことに気づき、静かに告げる。
「あなたは優しいんじゃない。奪われることに慣らされていただけです」
一方、美琴を捨てた夫と妹は、彼女が黙って背負っていた家事、介護、親族付き合いの重さを知り、少しずつ崩れていく。
「戻ってきてくれ」
「お姉ちゃん、少しくらい助けてよ」
もう遅い。
冷めたご飯を我慢して食べていた私は、もういない。
これは、夫と妹にすべてを奪われた元専業主婦が、夜のおむすび屋で人の心を満たしながら、自分の人生を取り戻していく物語。
3
【完結済】魔力は成長と共に…常識を壊す
侯爵家に生まれた双子、ラルフとロルフ。
生まれた直後の魔力量の多さでロルフが“長男”とされたが、
二人の成長と共に、その家の常識は静かに崩れ始めていた。
本来の長男であるラルフは、
自分の魔力の正体を家族にも隠したまま、
誰にも気づかれずに規格外へと成長していく。
やがて、周囲が「ロルフこそ優秀」と信じて疑わない中、
ラルフの魔力は常識の枠を軽々と超え、
家族も領地も、そして世界の価値観すら揺るがしていくことになる。
「魔力量の多い方が長男」──
その家の掟が壊れる日は、もうすぐそこにあった。
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