持参金 小説一覧

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離縁の条件は、六年前に揃っています

傾いた伯爵家を救うための政略結婚。初夜、夫ユリアンは言った。 「領地が立ち直るまでは妻でいてくれ。だが、君を愛することはない」 リーゼルはうなずいた。 六年、彼女は帳簿を締め、借金を整理し、夫が離れに置いた寵姫の不始末を片づけた。 六年目の朝、リーゼルは婚姻契約書を開く。 第十二条――「婚姻より六年、嫡子なき場合、妻は持参金の全額とともに離縁できる。夫の同意を要しない」 夫は、契約書を読んでいなかった。署名は補佐官に任せていた。 そして持参金は、この六年、伯爵領の運転資金そのものだった。 「どうぞ、お幸せに」 去った先で彼女を待っていたのは、六年間、伯爵家の借金の利子を黙って肩代わりしていた男だった。
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「妹で足りると言われたので、私は身を引きます

妹で足りると言われ、婚約は一方的に破棄されました。 ――ええ、構いません。私は身を引きます。 ただ、この婚姻に何が含まれていたのかを、彼はご存じないようです。 それでも妹を選ばれるのであれば、どうぞご自由に。 私は何も申しません。 ……そのままで、本当に大丈夫なのでしょうか。
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病弱な幼馴染の薬代は、六年、私の持参金でした

侯爵嗣子ゼバスティアンの婚約者になって六年。彼は週に三度、離れで療養する「病弱な幼馴染」ギーゼラを見舞い、私には「君なら分かってくれる」とだけ言う。分かる。私の実家は金で家格を買った商業伯爵家で、この婚約は取引だ。 六年目の春、持参金の使途明細を見た。ギーゼラの薬代が、毎月、私の金から出ている。請求書の印は王都の薬種商ではなく、眠り薬しか扱わない店のものだった。 実家の侍医に診せて分かった。ギーゼラは病気ではない。眠らされている。二十歳になれば男爵領を継ぐはずの娘を、侯爵家が「判断能力なし」のまま後見し続けるために。 誕生日まで、あと四十日。私は婚約者を捨てる。彼の幼馴染を連れて。 全40話。
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